読み鍋屋

杓子を逃げしものや何

音楽-赤い公園

所在ない夜に聴く赤い公園

はじめに 史上最高に暑い夏がようやっと終わったと思ったら、急に肌寒い秋がやってきた。先週からいきなり金木犀の香りが漂い出したことや、お気に入りの秋服をクローゼットから引っ張り出すことのできる喜びと同時に、ふと自分の孤独に対面して、ただやり過…

最近の好きな赤い公園の話 ~津野米咲さんの三回忌に寄せて~

はじめに 今日は赤い公園のギタリスト・津野米咲さんの2回目の命日だ。昨年は、それまでの一年を振り返って一周忌に寄せた文章をしたためた。この日に間に合うようにこのブログを開設した。津野さんとの別れでできた傷跡を忘れないよう記録しておきたいと、…

2022年6月のライブ遠征旅行の記録 2日目

ライブ遠征旅行2日目。実家に泊まって明けた日に、 広い首都圏の中から私が選んだのは立川だった。東京都の西の方に位置する立川市は、人によって様々なイメージを持つ街だろう。23区以外の東京の市を列挙してください、と街行く人に尋ねたら、5番目くらいに…

2022年1-2月に出会った曲たち その5:赤い公園編

はじめに 様々なアーティストの曲を初めて聴いていっぺんにヘビロテする時期が訪れた今年の冒頭2ヶ月。そこで出会った曲たちをひとつの記事で書ききろうと思ったが、アーティストやタイアップ作品ごとにそれなりの分量になったので、それぞれ一つの記事にし…

好きな曲をギターのコード弾きで楽しむための備忘録 前編:押さえ方の体系的な整理

※アクセスしたときすぐに早見表を参照できるよう、本文は後ろに配置しています 本稿の目標 4本以下で頻出コードを全て表現できる最低限の押さえ方を網羅する Fコードで挫折してギターをインテリアにしている人にギターをさわってもらう 全押さえ方早見表 基…

2022年1-2月に出会った曲たち その1:Official髭男dism編

はじめに ほとんど毎年、1回は様々なアーティストの曲を初めて聴いていっぺんにヘビロテする時期が訪れる。2016年はクリープハイプと星野源(ちょっと時期が前後してた)、2019年は赤い公園とスピッツとサカナクションと、椎名林檎のトリビュートアルバム、2…

赤い公園のラブソングは絶品

はじめに 赤い公園は昨年5月に解散した女性4人組のバンドである。ギターの津野米咲さんがほぼすべての楽曲の作詞作曲を務めていたが、2020年10月に急逝してしまった。それ以来私は精神的に不調な時期が続き、しんどい気分になるのを避けるために赤い公園の曲…

「凛々爛々」と「事実は存在しない。在るのは解釈だけだ」に対して色々考えたこと

1.はじめに 1.1. きっかけ 「事実は存在しない、在るのは解釈だけだ」(以下、簡略化のために「ノー事実バット解釈」と呼ぶ)はニーチェが著書「権力への意思」で述べた言葉である。原文ではこうだ。 Nein, gerade Tatsachen gibt es nicht, nur Interpret…

津野米咲さんの一周忌に寄せて

はじめに 今日で私の敬愛するミュージシャン、津野米咲(つのまいさ)さんが亡くなってから1年になった。一周忌にどんな文章を寄せるのが適切かわからない。津野さんに思いを馳せる一日であることには違いなく、そのために津野さんを喪ったこの一年の私の人…