読み鍋屋

杓子を逃げしものや何

羊文学の新譜フルアルバム「our hope」のレビュー

はじめに

私は記事「2022年1-2月に出会った曲たち」をアーティストごとに5回に分けて投稿し、その中で新しく出会ったアーティストの一つとして羊文学を挙げた。

yominabe.hateblo.jp

アニメ「平家物語」の主題歌に起用された「光るとき」を1月中旬にDL購入してヘビロテしたことをきっかけに、2月3日にフルアルバム「POWERS」とEP「you love」、3月15日にEP「オレンジチョコレートハウスまでの道のり」とEP「ざわめき」、4月25日にEP「きらめき」とフルアルバム「若者たちへ」をレンタルして聴き始め、現在進行形で着々と羊文学沼にハマっている。

そんな折に4月20日にリリースされたのが新譜フルアルバム「our hope」である。羊文学と出会ってからいままで、自分にとって未知の曲たちを断続的に履修する連続の日々を過ごしていて、その度にわくわくしてヘビロテリストに新たな曲が加わってきたが、やはりリアルタイムに世界にリリースされる瞬間に立ち会いながら未知の曲と出会うのは、リリースされてしばらくされた曲とは違う特別な高揚感がある。

というわけで私は、最速でゲットできる日から5日後の4月24日に「our hope」を手に入れた。本当はフラゲ日にCDショップに駆け込みたかったところだが、CDショップがない場所へ出張したことでお預け状態になった。サブスクで聴けることには聴けたが、あまりゆっくり時間も取れなかったし、帰るまでの楽しみに取っておいた。聴き始めてから2週間経過した現時点での各曲への印象をレビューする。大体楽曲の印象は曲先なので、歌詞への言及は少なめ。

聴く前に読んだインタビュー記事が良かった。各曲レビューでちょこちょこ引用させていただいている。裏方さんたちへのインタビューパートが載っているのも、こういう記事では初めて観たけど、近くで見ていた人たちが抱いたメンバーの印象とか、こういう人たちが支えているとかが分かって大変よかった。

natalie.mu

なお、冒頭に紹介した記事ではほとんど「光るとき」と「you love」収録曲にしか言及しなかったので、それ以外のアルバム収録曲で特にお気に入りになった曲について、近日中に改めてまとめたい。まあそれを楽しみにそわそわしながら、この記事を読んでってくだせえ。

聴きながら本稿を楽しんでくだせえ。

 

各曲レビュー

1.  hopi

新しいアルバムの最初の曲を聴くときっていつも緊張するよね。この曲はその緊張感をキャッチして投げ返してくれる序曲にふさわしく、海の深いところから聞こえてくるようなリバーブのかかったイントロから始まる。徐々に緊張感をほぐして2曲めにバトンタッチしてくれる感じがよき。これから押し寄せるフルアルバムの楽曲群を受け入れる体制を整えられるように出された、いわばフルコースにおいて胃の準備を促すための食前酒や前菜のような一曲。一曲目にそうした曲を配置することはまあ盤石の一手ではあろうが、この曲はその役割を十二分に果たしてくれている。

先に紹介したインタビュー記事で述べられたこの楽曲の製作エピソード、「走れメロス」みたいで素敵だなあと思った。

この曲はきっとライブでも冒頭でやってくれる気がする。暗くてなかなかメンバーの姿が見えない中ドキドキしながら聴いて、この曲が終わりを迎えて、次の曲で一気にメンバーの姿が見えて感動で涙目、まで見える見える。

2. 光るとき

羊文学を好きになったきっかけの曲。初めて聴いてから3ヶ月経ち、羊文学の他の楽曲もたくさん好きになってから改めて抱くこの曲の印象は、色々な変化球が楽しめる楽曲群においてストレートに良い曲。詳細なレビューは本稿の冒頭で紹介した記事で述べたので参照願いたい。

この曲を2曲目に早速配置したことは、私にとって本盤最大のサプライズだった。というのも私は、フルアルバムの最後から2~3曲目には名曲が来るのが定石だと考えていて、本盤ではその枠に「光るとき」が収まるだろうと考えたからだ。この考えは私が最初に沼にハマったアーティストが東京事変だったために植え付けられたのかもしれないし、それ以前から普遍的にそうなのかもしれない。東京事変でそのポジションに該当する曲は以下の表のとおりである。全てのフルアルバム*1にそういった存在の曲がある。

アルバム名 曲名 曲番 曲数
教育 御祭騒ぎ 10 12
大人 透明人間 10 11
娯楽 キラーチューン 12 13
スポーツ 閃光少女 12 13
大発見*2 空が鳴っている 11 14
  女の子は誰でも 13 14
音楽 緑酒 11 13

だからこそ、「光るとき」を2曲めに配置したこのアルバムは、まるでクローザーを2回に登板させてしまうかのような(唐突な野球の例え)型破り感を感じた。まあ本盤にはその位置に「マヨイガ」が配置されているので、「光るとき」はフリーになる。

そして、さあどこに配置しようと考えた時に、序曲に続いてリバーブマシマシで、でも強くて聴く者の背中を叩く曲でもあるこの曲が2曲目に配置されたと考えると、納得せざるをえない。この曲が持つ、一般的なキラーチューンが持つ魅力と異なる魅力ゆえに、2曲目にこの曲を配置することがジャストフィットなのである。

本曲がこの位置でも映えるのはもちろん、続く10曲の完成度の高さゆえでもある。それなりの曲が並んでしまったら残りは消化試合になってしまう。ライブでは終盤に来てくれそう。「僕たちが諦めない限り世界は美しい」ことを胸に刻ませて会場を送り出してくれる気がする。こないだ番組でこの曲の演奏を観たときは、結構ゆったりギターを弾いて(弾く素振りをして)いたけど、実際どうなのか、そのエフェクターさばきに至るまで注目したい。

3. パーティーはすぐそこ

さてさて、これまでの2曲でハイカロリーな曲をぶち込まれる準備が整ったところでぶっこんでくれる、ここからの3曲の流れが最高なんですわ。つよつよクリーンナップですわ(フルアルバムって10数個が一列に順番に並んでいるという点で、9人が順番に並んでいる野球の打順についなぞらえたくなる)。

そのトップバッターを張る本曲、タイトルの時点でさあギアをあげますよと宣言しているようなものである。ちょっとリミッターをかけている、曲の開始と同時に歌い出すAメロから、一気にギアを上げて加速するサビが爽快感満載!!「急いでパーティはまだ始まったばかり」と急かす内容と曲調がマッチしている!モエカさんの裏声混じりの高音が気持ちいい!!大サビ手前でちょっと音数を減らしているのも様式美。ああ気持ちいい。終わり方が歌い出しと一緒でちょっと物足りない感じなのが、次の曲を聴く時もこの曲を繰り返し聴く時も聴きたい意欲をかきたててくれる。

4. 電波の街

先ほど紹介したナタリーのインタビュー記事で、インタビュアーに「曲のテンポ感というか、これまでの羊文学にはなかったテイストの曲」と言及されているように、疾走感が気持ち良くてかっこいい曲。ドラムだけじゃなくベースもギターもエイトビートを刻んでて、実際のBPM(160前後?)よりも速く感じる。でも作った本人は「"押しすぎない曲"」と認識していたらしい。たしかに豆苗炒めみたいな、シンプルな食材をさっと強火で料理しましたみたいな感じの曲だ。そんな感じのことを前椎名林檎が「自由へ道連れ」をリリースした時に言ってたな*3。しかし素材の味が美味しい。

5. 金色

こちらは一転してゆったりしたテンポで、耳に残るベースラインをフィーチャーした羊文学の得意技的な一曲だと思う(曲調は違うけど、「Girls」とかもイントロのベースラインが印象的)。Aメロは低音寄りでモエカさんのかっこいい低音ボーカルの魅力が全開。サビは中くらいの高さの音をすっ飛ばして裏声混じりの高音にまで到達していて、それもまた魅力的。

以下のインタビューでモエカさんが、「かつては愚痴を書くような勢いで作った曲もあったんですけど、私の愚痴をみんな聞きたくないだろうなと思うようになってきた」と語っていた。「金色」にも愚痴混じりの歌詞が出てくるけど、その内容は「窓際で眠る猫みたいに 陽だまりに溶けてゆく毎日が欲しい」で、たしかにこれまでのような角は取れてだいぶ可愛らしい愚痴になったなと思った(笑) でもモエカさんには、他の曲で垣間見える性格とか思想から積み重なった信頼感があるから、たまに尖った愚痴を聞くのも特に苦には感じない。「もうすぐ世界が終わるとしてみてあなたは本当にいいの? それならいいよね 私はまだまだ知りたいことだらけなの」からの「嘘つくな」って派手にはしごを外すのとか(「変身」)、「言いたいこと 言えないまま 過ぎてった毎日が辛いか」「目も覚めるような真っ赤な嘘」とか攻撃力高すぎるフレーズとか(「Girls」)、癖になって一周回って大好きだから、尖った愚痴もちょこちょこ出してってほしい(笑)

soen.tokyo

こないだ羊文学が出演していた音楽番組で、モエカさんがふつうに話している様子を観たら、歌っているときより高めでゆっくりと可愛らしい感じの話し方で、ギャップにやられた。

閑話休題。この曲は本盤の人気曲の一つのようで、「カネコアヤノへのラブレター」「GLIM SPANKYっぽい」とのツイートが、それぞれ複数人から発信されていた*4。両者の曲も落ち着いたら聴いてみたいと思った。

ライブ本編が終わって観客が拍手を続けたあとに、メンバーがもう一回出てくるお決まりの流れで、気楽な雰囲気の中アンコールの一曲目にこの曲をやってくれてニコニコしている様子が見える見える。

6. ラッキー

「金色」に続けてゆったり曲。「金色」はモエカさんの歌声がかっこよかったけど、この曲はかわいい。連続で緩急を感じられて良き。自然寄りの場所を昼間にドライブする時に向いてそうな曲。というのは曲先で出てきた印象だけど、歌詞をよくよく見てみると、「しあわせが訪れる そんな日になる って決めたからなる」とか「最悪だ!叫んでみたり」とかちょこちょこネガティブな内容が垣間見える。でもその状況をそんなに重くは受け止めてないんだと思う、この主人公は。最悪なことまるごと楽しんじゃおうみたいな心意気が見えるのが素敵。自分もそんなふうに考えられるときもあるし、どうしても無理なときもある。でもこういうメンタリティで過ごす時間を長くしていきたいね。カラオケでさー!いあー!くだー!!って叫びたい!こうやって叫んじゃえば全部吹っ飛んでくれそうだよね。いつかこの曲がすごく頼もしく感じられるときが来そう。最初から最後までテンションが上がるのは「パーティーはすぐそこ」と「電波の街」だけど、こういう特定の部分がすごく印象に残るというのが、聴いてない時に頭に流れてまた聴きたくなるというジャンキーさでは上回るから、再生回数が伸びる。というわけで、このアルバムの再生回数1位を争っている。

曲調も歌詞の方向性も違うけど、タイトルや曲調が前向きだけど歌詞は後ろ向きってのは赤い公園の「楽しい」に通じるものを感じる。「楽しい」のほうが直接的にはまったくネガティブさを見せてないけど、よくよく読んでみたらこれ自分に言い聞かせてない…?っていう空元気感が強くてキュッとなる。でもどっちも好き。

7. くだらない

「金色」から一息つくパートに差し掛かっていて、この曲が最も穏やかな曲。たぶんこのリリース一週間の高揚感で聴くよりも、少し落ち着いてから聴いたときにしみじみと好きになる曲な気がする。「マヨイガ」とか「恋なんて」とか「夜を越えて」に並べて聴きたい。羊文学は穏やかラインナップも魅力的。ラブソングに見せかけて変化球だというのは本人も語っているところ。歌詞と合わせてじっくり消化したい。

「ラッキー」「キャロル」を個別に、たまに連続で聴くようになってから、アルバムを通しで聴き直したとき、すでに「ラッキー」も「キャロル」も一息つく曲枠じゃなくなっていて、この曲が真に一息つける曲として残っていた。

8. キャロル

この曲では、歌声のかっこよさと優しさのバランスが素敵。Bメロで高まる緊張感がサビで開放される流れの虜になって胸が熱くなる一曲。しかも1番のあと泣きそうになるくらいかっこよさと切なさを備えたギターを挟んでAメロすっ飛ばしてもっかいBメロに突入するのがずるい!しゅき!!極めつけは大サビ手前のCメロ、ポツポツとつぶやかれながら上下するメロディとともに高まった緊張感とともに一気に突っ込んでいくサビのカタルシスよ…!!この感覚、どこかで感じたことがある…と思ったら安室奈美恵の「A walking in the park」だ!!

ちゃんと歌詞を聴いてみると、この歌の主人公が考えていることは自分が社会を捉えている解像度で見える景色に近いんじゃないか、ということに思い至った。「同じ昨日に起きたニュースの真相は曖昧にしてみんな違う話をしてる」「寂しい夜があればいつだって飛んでゆく なんて、言えたらな」という歌詞からは、このままの状態を放っておいて人生を進んでいって大丈夫なのか、という不安がひしひしと伝わってきて、それがメロディでも表現されている。とは言っても悲壮感に包まれているというよりは冷静に状況を見つめている感じ。この自分の持つ解像度と歌で表現されている(あるいはインタビューから垣間見える、本人の持つ)解像度が近い、というのはバンドを好きになる重要なファクターの一つだし、羊文学を好きになった所以のひとつなのだと思う。

キャロルって何?クリスマスキャロルのキャロル?って思ってググったら、2019年の記事で羊文学が選んだプレイリストの中にキャロル・キングが含まれていることを発見した。まあこの記事で選んでいるのはBa.のゆりかさんだから関係ないかしら。とか思いながら歌詞を読み直すと「ねえ、サンタクロース教えて」って歌ってた。やっぱクリスマスキャロルで合ってたようだ。

じゃあキャロルとは何を指すのか、と調べると、Wikipedia曰く「現在では通常、祝歌、頌歌(しょうか)と訳される賛美歌の一種と考えられている」と書いてた。なるほど。この内容を「キャロル」というタイトルで歌うことで、クリスマスで浮かれた街の雰囲気の中でも(いや、だからこそ?)皆に混ざって浮かれポンチになれない切迫感が上乗せされている。

歌の内容とリンクして、ライブの終盤に差し掛かり少しの疲労感を感じながら、もう残された羊文学との時間は長くないのだと思い至って、まだ楽しいライブの時間が続いているのに悲しい気分になりながら、でもひたすら演奏は素晴らしくて涙目になっている自分が見える見える(だんだん妄想が激しくなってきた)。実際にやってくれるかどうか以前にチケットが当たらなかったりして(笑)と思ってたら追加公演のCD封入特典での抽選が当たった!楽しみ🥳🥳🥳

最初はそんなに回数を重ねて聴いていなかったこの曲が、いつの間にか本盤で「ラッキー」と並んで1,2を争うヘビロテ曲になっていた。

9. ワンダー

イントロの歪んだギターと規則的なドラムからどこに行くのかと思いきや、直後の歌い出しで開放的な景色が広がったような感じの曲。ゆったりして心地いいな~と思って聴いてたらいつの間にか終わってる曲。作業しながら聴くと集中できるセラピー的な側面もある。プラネタリウム作品の主題歌になってるらしい。たしかによくマッチして、心地よさの極みになりそう。

「くだらない」の製作動機について「盛り盛りな曲が多いから、アルバムの中盤に引き算みたいな曲を入れたいなと思っていた」と、先述したインタビュー記事でモエカさんが語っていた。挙げている曲名を見ると本人の意図するところとはずれている気がしないでもないが、後半の曲はクリーンナップが終わって一息ついた、少々空腹が満たされてきた状態でもゆったりして受け入れられる、たまに受け流すこともできる曲が続いていると感じた。そういう曲の存在は、アルバムやプレイリストを繰り返し聴き続けても食傷気味にならないために重要だと思う。しかもローカロリーな曲は、メインディッシュよりも料理人の腕への依存度が高い繊細な味が求められる。気づいたらローカロリーの曲を繰り返し食べたい身体になっていた。そういうわけで、穏やかだけど聴き飽きない曲を揃えるというのは、すごいことだなと思う。

10. OOPARTS

「単純にシンセを買ったから活用したかった」というのがこの曲が誕生した理由の一つらしい。そのシンセの音のお陰で歌詞の内容とリンクした宇宙の奥行きが表現されているのが特徴的。ギターもまあそうだけど、シンセってなおさら音色に制限がないから、使う人の個性が十分に出るんだなあと思った。

ライブ表題曲になっているからというわけではないが、この曲でライブが始まる可能性もかなりあると思う。あるいは本編最終曲か。シンセは打ち込みで演奏するのかな。「光るとき」と似た伸びのある歌声が良き。静かな入りからだんだん壮大になっていく感じとか、コーラスのトランシーバー音声っぽい感じとか好き。

歌詞のある一節を聴いた時に毎度科学的解釈に思いを馳せてしまう。それは「地球はオーパーツ 100億年の夢」という一節。地球は誕生から46億年だからだいぶ過大申告してないか…?それとも宇宙が誕生してから138億年、地球が誕生するまでの92億年間夢を見続けていたということか…?まあ46億年=10^9.66年だから桁で四捨五入するとしたら10^10年=100億年だし、そういうことか。と納得するところまでワンセット。我ながらめんどくせえ。難癖つけちゃったけど、また歌詞の本質についてはじっくり考えたい。

11. マヨイガ

「光るとき」で書いたように、終盤に配置されたエース曲。楽曲のレビューは前の記事で書いた通り。昨年8月にリリースされたEP「you love」にも収録されてた。先にリリースされたアルバムにも収録されていた曲が再収録されるのは、数量限定のデモ盤からの正式な収録を除けば、「Step」(2017年リリースのEP「トンネルを抜けたら」・翌年リリースのフルアルバム「若者たちへ」)に次いで2曲目。どんな基準で再登板させたくなるのか気になる。しかしこの曲を配したおかげで、「光るとき」が序盤に配置され、アルバムがより引き締まった気がする。

と思っていたらEPのリリース時のインタビューで、もともとマヨイガ2バージョンを収録したシングルとしてリリースするつもりだったとモエカさんが語っていた。なるほどシングル曲をフルアルバムに収録する感覚だったのか!!納得!!そう考えるとシングルに4曲ついてきた前作めちゃお得やん!!

www.thefirsttimes.jp

12. 予感

一つのアルバムを終えて帰ってきた感はTHE BLUE HEARTSの「DUG OUT」の最終曲「チャンス」に通じるところがある。夜寝る前に聞くと寝付きが良さそう。だと思うのは、歌詞でも眠りに言及しているからなのか、はたまた曲を聴きながら本節を加筆している今が日付をまたいだ後だからなのか(笑)アコギ主体で進行するけど間奏のバンド演奏がいいアクセント。ギターの音色かっこいい!!

最後に

「our hope」というタイトルからこのアルバムを「希望」という切り口で見てみると、楽しい気分になって高揚させてくれる曲、背中を力強く、あるいは優しく押してくれる曲、うまくいかないことは認識しながらもがく曲、穏やかな気分にさせてくれる曲などなど、色んな切り口で希望を与えようとしてくれている気がした。

羊文学を好きになったきっかけの「光るとき」に負けず劣らず最後までチョコたっぷり。よーいどんで聞き始めてから2週間経っても、再生回数が1, 2曲だけ飛び抜けるなんてことはなく、たくさんの曲が満遍なく回数を伸ばしていっている。いったん全文書き上げた数日後に、この曲もっと好きになってきたな…書き直そう…とか思って、結果的にほとんど削除せず新しく話したいことを書き尽くした結果がこの超長文。このアルバムがそれだけ色んなことに思いを馳せられる濃厚なアルバムだったということだね(言い訳)。どんな精神状態でも聴きたい曲がある名盤でございます。素敵なバンドを現在進行形で見守れる喜びを再び噛み締めている。

羊文学もそろそろバンドスコア出せる良いくらいの存在になってきたんじゃないでしょうかっっっ!!!いっぱいギターで弾いてみたい!!!そしてライブ楽しみ!!!

勉強を他の人に教えると自分の理解度も深まるように、好きな曲をレビューしようとするとじっくり聴くから、より好きなところが見つかる好循環を再確認。みなさまも是非。

 

22/4/30提出 22/5/7修正 22/5/9公開

*1:ライブアルバム「東京コレクション」やカップリングアルバム「深夜枠」、ベストアルバム「総合」、その他EPは除外。

*2:「大発見」は最終曲が1曲目のアレンジである

*3:参考:

news.nicovideo.jp

*4:参考:

twitter.com