羊文学のレコ発ライブ*1ツアー「OOPARTS」がいよいよ5月29日からスタートする。私も無事チケットが確保できたので参戦する予定であり、楽しみが募る日々を過ごしている。
初めて羊文学のライブを観るに際して、せっかくなのでセトリ*2を予想してみようと思う。終盤に予想プレイリストを埋め込んでいるので、聴きながら読みたい方はそちらを参照されたい。
過去のライブのセトリ分析から予想する演奏曲候補
「our hope」収録曲はほとんど全て演奏することが予想されるが、それ以外の曲については基本的に最近のフェスで頻繁に採用されている定番曲が選ばれるだろう。そこで、2021年6月から2022年5月までの22回(うちワンマンは3回*3)のライブのセトリを集計し、頻度を集計して定番曲をリストアップした。
2021年のセトリに関しては、これまで同様の集計をされているこちらの方のセトリ一覧画像ツイートをたいへん重宝した。ありがとうございます。
羊文学の今年の全セトリまとめてみた。去年のも。今年は計28日31公演、内有観客26。森道とつくば、結いのおととre:hoshiotoが曲目近かったけど被りなく。行けた中ではCRAFTROCK、配信観た内では伊勢丹とやっぱフジロックが印象強かったかな。セトリupくださったみなさん大感謝でした! pic.twitter.com/Z9vUOT0RKI
— クワタナオノリ/// (@zoffy) 2021年12月26日
演奏回数トップ10
「our hope」収録曲を12曲中10~12曲演奏し、曲数がTour 2021「hidden place」と同じ20曲だった場合、既存曲は8~10曲演奏されることになる。そこで、22回の演奏回数トップ10を発表する。ちなみに今年出演した4回のうち、5/14と5/15のセトリは、連日ということもあってか、1、3、4曲目を除いて同じであった。
1. あいまいでいいよ
2020年リリースのメジャー1stフルアルバム「POWERS」の13曲中12曲目に収録。唯一22回全てのライブで演奏された曲。殆どはラストかラストから2番目に演奏されており、アルバムの収録位置と似たようなポジショニングである。THE FIRST TAKEでもセレクトされている、まごうことなき定番曲。CDTVでも演奏されるそうだし、ツアーでも演奏されるのは確実。
2. 砂漠のきみへ
「POWERS」の9曲目に収録。22回中19回、今年5回中3回。序盤も終盤も経験しているが、最近は序盤に演奏されることが多いようだ。まあこの曲も演奏されるのは確実と言っていいだろう。
3. mother
「POWERS」の1曲目に収録。22回中16回、今年は5回中4回。2021年では1曲目に演奏されるのが8回、2曲目が2回、3曲目が2回、5曲目が1回という内訳だったが、今年は順に4、1、3、1曲目の演奏だった。昨年はトップバッターとしての役割が大きかったが、序盤曲としての地位は維持しつつ徐々に後退している様子がうかがえる。これまでの頻度3位だし、連続して演奏される可能性のほうが高そうだが、「hopi」と曲調が似ているから、今までmotherを演奏していた曲順に「hopi」が取って変わるかもしれない。
4. 夜を越えて
昨年リリースされたEP「you love」の6曲中5曲目に収録。初めて演奏された2021年8月22日の「FUJI ROCK FESTIVAL '21」から15回連続で演奏されていたが、ツアー前最後のメトロックでは演奏されなかった!まあとは言ってもメトロックは5曲だけだったし直近ではこの1回だけだし、「あいまいでいいよ」と同じく演奏確実。15回中9回は最後に演奏されているため、「our hope」から最終曲が選ばれないのであれば、最後に演奏される可能性が高いだろう。
5. マヨイガ
昨年リリースされたEP「you love」と新譜「our hope」に収録されているため演奏確実。後半に演奏されることが多いが、tour 2021「hidden place」で「マヨイガ」からの「夜を越えて」で締めていることを考えると、同じことはしなさそうな予感がする。本編最終曲あたりに落ち着くか。
6. powers
「POWERS」表題曲で9曲目に収録。22回中11回、今年も5回中3回演奏されている。ライブの折り返しに当たる曲順が多い。演奏頻度は高いがここまで「POWERS」から3曲がランクインしており、4番手であることから演奏確実とは言いきれない。
6. ラッキー
「our hope」に収録されているが、昨年3月に配信シングルとしてリリースされていた曲で、昨年のフェスから演奏回数を重ねてきた。演奏確実。
8. ghost
「POWERS」12曲目。昨年9回、今年1回と頻度が減少傾向にある。ここまでに「POWERS」の曲が4曲ランクインしていること、「our hope」リリース後の4回のフェスで演奏されていないことを踏まえると、今回は外されそうな気がする。しかし予習曲リストには入れておきたい。
9. 人間だった
22回中7回、今年の5回中1回。「ざわめき」1曲目に収録されており、このアルバム枠が維持されていたら採用されるだろう。世界観やテーマ性にはOOPARTSに通ずるものがあるので、連続でやるかもしれない。モノローグが特徴的な曲なので、演奏の様子を観てみたい思いはある。
9. ハイウェイ
22回中7回、今年の5回中1回。「オレンジチョコレートハウスへの道のり」1曲目に収録されており、このアルバム枠が維持されていたら採用されるだろう。お気に入りだからやってほしい。
9. 1999
5月21日のTOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2022で今年初めて演奏されて22回中7回となり、9位タイに滑り込み。「POWERS」に収録されているが、2019年に配信シングルとしてリリース、翌年に「人間だった」との両A面シングルとしてリリースされた。演奏回数こそこの位置だが、バンドの代表曲でリスナーも多い。ツアー前最後のフェスで演奏されたこともあり、曲数の多いワンマンライブでは演奏される気がする。
その他の最近演奏頻度が上がっている曲
採用確率が2倍以上になっている曲を紹介する。
光るとき、くだらない
新譜フルアルバム「our hope」に収録された曲。「光るとき」は今年の5回全てで、「くだらない」は3回演奏された。新譜からはこれまでに1回でも演奏されていれば確実に演奏されると捉えていいだろう。「光るとき」は6/8、4/6、2/9、2/9、4/5曲目(曲番/曲数)に演奏されていて、序盤、中盤、終盤のどこに来てもおかしくない。「くだらない」は9曲中6曲目と5曲中3曲目で、アルバムと同じ中盤に配置されると予想される。
あの街に風吹けば
昨年リリースされたEP「you love」の2曲目に収録。演奏回数は5回だが、初演奏されてから開催されたライブは12回なので、頻度としてはトップ10曲と同程度で、本ツアーでも演奏されることが確実と見ていいだろう。今年演奏された2回はいずれも1曲目であり、曲数の限られるフェスでは観客のテンションを短時間で上げるトップバッターとしての役割を任されている。これがツアーになればどうなるか注目だ。
その他、特筆すべき曲
変身、ロマンス
前者は「POWERS」に、「ロマンス」は「きらめき」に収録。2021年に出演した17回中5回以上演奏されてきたが、いずれも今年に入ってから1回も演奏されていない。この事実を踏まえると、ツアーでも演奏される可能性は低いかもしれない。「ロマンス」はここまで紹介した中で唯一の「きらめき」収録曲で、かつ貴重なポップ曲なので、採用してくれそうな気がする。
step
本編での演奏は2回にとどまるものの、リハーサル曲を集計できたライブでは3回とダントツの採用率だった。本編が長いワンマンでは本編でやるかもしれない。
夕凪
比較的前に発表された曲だが、2ヶ月前にMVが公開されたのでやってくれるんじゃないかという淡い期待。ここまでリストアップされてないお気に入り曲の中で、なんとか演奏の兆候をとらえられた曲枠。でも22回の演奏リストには一度も入らなかったから、期待はしないでおいたほうがよさそうだ…(´・ω・`)
予想セトリとライブの流れ
「our hope」から1曲くらい削られそうだという予想でうまくはめられなかった「キャロル」を外し、2021 tour「hidden place」と同じ20曲のセトリを組んでみた。「POWERS」からは演奏回数トップの3曲と「1999」をセレクトした。その他は各アルバムから最大2曲。既存曲は先述した分析から、新譜曲はアルバムの配置を基本に序盤、中盤、終盤を振り分けてみたあとで、やっぱりこの並びのほうがしっくり来るな…と試行錯誤を繰り返していたら、結構バラバラになった。
既存 | 新譜 | |
序盤 (7) | mother 砂漠のきみへ あの街に風吹けば ロマンス |
hopi パーティはすぐそこ ラッキー |
中盤 (6) | step 1999 人間だった |
くだらない OOPARTS 予感 |
終盤 (7) | 夜を越えて あいまいでいいよ |
電波の街 キャロル 金色 マヨイガ 光るとき |
次点 (5) | powers ghost ハイウェイ 夕凪 変身 |
ワンダー |
ここ一年のフェスやワンマンでの演奏頻度に基づいて予想したので、演奏される曲のセットはそれなりに自信がある。これだけ予習しておけば、知らない曲に遭遇するのはせいぜい2曲程度になるだろう。
以上の考察を踏まえて私が予想するセットリストは以下の通りだ。
- hopi
- mother
- 砂漠のきみへ
- パーティはすぐそこ
- あの街に風吹けば
- ロマンス
- ラッキー
- step
- くだらない
- 予感
- 1999
- 人間だった
- OOPARTS
- あいまいでいいよ
- 電波の街
- キャロル
- 夜を越えて
- マヨイガ
- 金色(EN)
- 光るとき (EN)
静かな雰囲気をまといながらライブが始まり、穏やかな定番曲3曲が続く。そこからテンションの上がる曲へと繋がっていく。まず静かな夜の街からご機嫌な屋内会場へと連れて行ってくれるような内容の「パーティはすぐそこ」で会場のテンションを高めてから、ポップ系のエース2曲を演奏し、テンポは落とすものの機嫌の良い「ラッキー」へと流れていく。
ここで一旦MCが入り穏やかな曲が立て続けに演奏されていく。「step」「くだらない」「予感」と静かな曲でクールダウンした会場を「1999」から穏やかに暖め直し始める。個人的に「1999」はスタート曲適性があると考えているので、折り返し地点でリスタートする1曲目という意味合いでここに配置した。そしてサイエンス要素が含まれた「人間だった」「OOPARTS」へと続く。
ここから終演に向けての加速が始まる。文字通りテンポの速い「あいまいでいいよ」、タイトでクールな「電波の街」、重厚な曲構成の「キャロル」、終盤常連曲の「夜を越えて」と続き「マヨイガ」で本編終了。
本編が終わりリラックスした表情でメンバーがゆったりと奏でるのは「金色」。「光るとき」が、ありあまる奇跡を抱きしめてこれからの日々を過ごす勇気を与え、日常への背中を優しく押して全編終了。
既存の締め曲が多い上に、新譜収録曲にも終盤映えする曲が多かったため、終盤の展開が難儀した。単純にアルバムの曲順と変わったほうが面白いという個人的な思想を見え隠れさせてしまった気もするが、でもやっぱり新譜曲が映える終盤であってほしいという願いを込めて、これまで終盤だった曲の何曲かは少し手前に配置した。しかしレコ発ってさっさと新譜曲を消化して後半に長年人気な曲を集中させるパターンもあるし…うーんありそうな展開を全部満たすセトリを実現するのは実質不可能そうだ。
ぼくのかんがえたさいきょうのセトリ
淡々とこれまでの演奏履歴から分析した結果でセトリ予想をした。プレイリストを作って繋がりに違和感がないかチェックもした。完成度は結構高いと思う。が、元々気に入った曲を詰め込んで作ったプレイリストを繰り返し聴いていたおかげで、この曲の次は脳内でどうしてもこの曲が流れちゃうという違和感には抗えない。やっぱりどのアルバムに収録されてるとか、これは定番曲だから演奏されるだろうとかそう言うの抜きで、自分が好きな曲をみちみちに詰め込んだセトリも作りたくてうずうずしてきた。というわけで作っちゃった。本筋とはずれるので詳細な説明は省く。
- 1999
- 人間だった
- あの街に風吹けば
- 変身
- Girls
- パーティーはすぐそこ
- 電波の街
- 金色
- ラッキー
- ロマンス
- ミルク
- 恋なんて
- ハイウェイ
- 夕凪
- 天国
- 絵日記
- キャロル
- 夜を越えて
- マヨイガ (with 蓮沼執太フィル)
- 光るとき
こうやって好み100%で作ってみると、先述した予想プレイリストにも自分の感覚とか願望が見え隠れしていたことに思い至った。
おわりに
こんなにエビデンスに基づいてセトリ予想をしたのは初めてなので、結果がどうなるか楽しみだ。しかしこのセットリストも、「最初の曲で始める」「ある程度曲のつながりは残しておく」「新譜収録曲はほぼ全部やる」「フェスの常連曲はワンマンでもやる」「既存曲は新しいアルバムの収録曲ほど多く、古いアルバムからもなるべく1曲は採用する」などの未検証仮説を大量に盛り込んでいる。ワンマンのライブで参考にしたセトリもたった3回で、うち1回はジャズクラブでの趣向を変えたセトリなので*4、時間がある時に考察を深めたい。結果は1ヶ月後にこの目で見届けるまでのお楽しみ。最近ほぼ演奏してなくて、絶対やらなそうなお気に入り曲をやってくれたら飛び上がっちゃうだろうなあ。楽しみだー!!
最後に、本稿では淡々と演奏傾向を分析してきた。ライブの予習のために本稿を読んでくれて、各曲の魅力をもっと知りたいという方は、以下の記事で補完していただければ幸いである。