読み鍋屋

杓子を逃げしものや何

羊文学レコ発ツアー「OOPARTS」全曲レビュー付き感想

はじめに

はじめての羊文学の演奏を東京はお台場にあるZepp DiverCityで見届けてきました。配信を観ながら1曲ずつ思い出してレビューをしていきます。その前後のライブ遠征旅行の記録は別記事にまとめるのでそちらもよろしければご覧ください😌

1. hopi

開始時刻が近づきながらインスト曲のSEが続いてドキドキが加速する。白いシーツのような幕の後ろに立てられた板がどかされ、メンバーが幕の中にすでにいることが示唆される。一音目を聴いて予想通りhopiが始まったのを確認し小さくガッツポーズした。バスドラに合わせて明滅する大きな電球、明るくなると映し出されるゆりかさんのシルエットがとても良い。スピーカーの真ん前に指定された私の立ち位置からは極限までマシマシになったリバーブで、ときどき芯の音がわからなくなるほどで、自分もその音の中に溶け込んでしまうかのようだった。

2. mother

ここからはいつ幕が下りるのかという緊張感に依然強いリバーブのかかったサウンドが私達を包む。そして初めてゆりかさんのコーラスを聴く。この緊張感の中でもフクダさんのビートは寸分も狂わない。

3. 雨

イントロを聴いて悟る、もうノーマークな曲が来ちゃった!!ぬかった!!なんて慌てているうちに*1幕が降りてメンバーの姿が露わに!!間奏になるたびにドラムの前に集まって対面する3人の姿、これから何度も繰り返されるシーンでとても印象的だった。歌詞の内容を聴いてそれがおそらく「雨」であろうことに気付く。最近完全体を習得しつつある*2セブンコードの手の形が分かって嬉しい気分になる。このライブは私が去年の2月にギターを初めて以来2度目のプロの演奏を目にする機会だったからどんな押さえ方をしているかにかなり注目して、後から振り返るとちょっと情報インプット過多になった感はあるけれど、それだけ充実したライブだった。

4. 光るとき

イントロの最初では何をやっているのかわからなかったがアルペジオに入って気づいた、もう「光るとき」が来ちゃった!!当然ながらアルペジオってコードと似たような指の押さえ方なんだなあ、そして羊文学を好きになったきっかけである轟音リバーブの間奏、聴きながら感慨深い気持ちになる。

5. 砂漠のきみへ

うわーまた分からないイントロが来た…!と頭を抱えていたら徐々に聞き覚えのあるコード進行が聴こえてきて、なんの曲か感づいてくる感覚はいつもワクワクする。「砂漠のきみへ」だー!フェスのセトリ出現頻度を集計して予習して好きになってきていた甲斐があった!!!

2番の「胸に 聴いて 深呼吸」のところで胸に手を当てて耳に手を添えるジェスチャーが私の推しポイントでした。ギター弾いてないときは手持ち無沙汰なんじゃなくて、むしろジェスチャーができるところがギター弾いてない箇所にあたってくれてありがとう!!って気分になった。最高だぜ。歌ありの部分と演奏だけの部分でリバーブの切り替えするのがやはりよい。どの曲でもエフェクター踏む瞬間が毎度グッとくる。このあたりまでほぼ毎曲終わりにありがとうって言ってくれて、その度にうわあーーー最高だ‐‐‐パチパチパチ!!!ってなってた。笑

MC

そして噂のゆるMCに入ったと思ってたら!!!ゆりかさんのベースがSGに変わってる!!僕の持ってるギターと激似!!!と思ってテンションばり上がる。てかモエカさんこんなにカポをつけたり外したりずらしたりしてたんだね、チューニング大変そう…なんてことも考えてた笑

6. なつのせいです

夏の曲と宣言された瞬間に悟った、セトリ予想の参考にさせていただいたクワタさんが「夏だからなつのせいですをやってくれるんじゃないか」とコメントを下さったことを思い出し、その通りだった!!!さすが長年のファンの方は違う!!!と一人感動していた。そして、ここまでじっくり聴く続きだったセトリが、にわかに楽しくなってくるのを感じてウキウキ踊っちゃう。周りの人に目障りだろうな…と思いながらも踊っていた私は、時折軽くしゃがんで後ろの人に見やすいといいな…と全編試行錯誤を続けていた。

7. あの街に風吹けば

「光るとき」に惹かれて聴き始めた羊文学の幅広さを感じさせてくれて、2番目に好きになった思い入れのある曲。イントロでもうニヤニヤしちゃうじゃんねー!!と思ったら歌い出した直後にモエカさんが歌詞間違えて、ちょっとテヘペロ気味な表情になってた気がする!!😝これ手拍子していいかな…と思ってたらモエカさんが手拍子を促してくれて心置きなく手拍子できた!

8. 電波の街

ベースの音がかっこいいこの曲は更に低音がブーストされてた気がする!ちょっとテンポが原曲より遅めかな?と思ってたけど、配信を見返すとそうでもないのでただテンションが上って気が急いていただけだったのだろう🙈ちょっとタメの入った歌い方が大変良き。

9. 金色

イントロ前のじゃら~んで完全に分かっちゃいましたよ😆低音のボーカルが素敵なこの曲、生で聴いたら音源より高く聴こえた気がしたけど配信では音源に近そうだ…そんなに生と映像で変わるのかな、スピーカーの真ん前だったからかな🤔この曲の「満足してるよ 人生の大体の部分では」のところが生で聴いてて一番刺さったな。ほんでアウトロのドラムの終わり方がかっこよかったさー。

10. キャロル

また知らないイントロだ、にわかにスクリーンが登場してこれはアルバム収録曲のどれかだという直感が働く。そして聞き覚えのあるコード進行!!曲名を宣言されたときに思わず拍手しちゃった!!映像がかなり曲を聴いて想像していたイメージと近くてすごかった!生ではほとんど聞き取れなかったフクダさんのコーラスが配信ではすごく良いハーモニーを奏でている!!

11. くだらない

モエカさんの繊細なアルペジオが美しい。多分この曲の前にもすでに登場していたがフクダさんがバスドラの前でスティックを動かしていた、もしかしてその位置にタムをおいている?!珍しい配置だ!!しかしフクダさんはあれだけの長髪なのに涼しげにドラムを叩いていてすごい。私が観た中で一番涼しげに叩いていた気がする。素敵なワンピースもまとっていたというのに。と思っていたら配信で真後ろにサーキュレーターが置かれていてちょっと安心した。笑

12. 予感

じっくり聴き入る時間が連続する。自分の立っている位置からは、横から照らすオレンジ色のスポットライトがその手前の消灯しているスポットライトに隠れて月食のようになり、この曲の雰囲気にすごく合っていてよかった。間奏に入ったときのベースのノイズ音を聴いて、一瞬音響トラブルか?!と思ったもののそんなはずはなく、原曲より更にパワーアップした間奏を聴かせてくれた。

13. OOPARTS

プロジェクターの画面がノイズになりシンセサイザーのイントロが始まる。この曲は同期させて演奏するのかなと思ったらすぐにバンドアレンジに移行したのがすごく良かった!そして飛び立つものたちが映される複数区画に区切られた映像もつい見入ってしまった。原曲より好きだと思ったのは歪みとクリーンなエフェクトの緩急が音源よりさらに激しくなっていたからかな。ほんで終わったと思ったらフェイントですぐ続きが始まったから思わずジャンプしてしまう。最高だった!!そのすぐ後のMCで「騙された人ー?」って訊かれて、めちゃめちゃ勢いよくハイッッッ!!て手を挙げちゃった🙈

MC2

映像とか照明とかカメラとかのスタッフの方々を名前で紹介してくれて、スタッフもこのバンドを構成しているとメンバーが大切にしている様子が伝わってきたのが素敵だった。

14. パーティーはすぐそこ

MCでポップな曲と紹介してくれた次の曲、あの曲だね?!ノリノリで楽しむ用意はできてるぜ!!!ってテンション急上昇!!楽しい!!一度飛ばしたけどモエカさんのお気に入り曲らしいしやらないなんてことはなかろうと思っていたものの、まさかこの曲の曲順を変えてくるとは!

15. マヨイガ

サビ終わりのドラムとシャウトの力強さを生で浴びれて最高だった。

16. あいまいでいいよ

これも演奏頻度を集計して意識的に聴いて好き度が増した曲。ライブで聴いたら楽しさマシマシだった!サビで手を挙げたくなる曲。後回し!!のコブシ利いてる感じがカッコイイ!!!ちょこちょこ歌いながらメンチ切ってるモエカさん良い(笑)あらためてTHE FIRST TAKEの映像を観たくなった。

17. ワンダー

上から降りてくる水平な光が神々しくて良かった。大サビの「君は!!!」がすごく心に刺さった。体感全部アルバム曲やってくれちゃったんじゃないの…?アンコールで何やるの…??と思いながら本編終了を聞き届けた。

EN1. 人間だった

そうしたらさあー!!またなんのイントロだこれはと思ったらおもむろに4ビートが始まって何の曲か宣言する瞬間がドチャクソにカッコイイじゃないすかーーー!!今日のベストカッコイイ賞受賞です。おめでとうございます。音源聴いてたときには間奏のつぶやきながらギター一音ずつ鳴らすところに注目したいなんて思ってたけどそんな余裕はなかった…モノローグが音源より高い声で見とれてしまったよ…!!

どこかで曲終わりにイェーイってやってるモエカさんとそれに応えるゆりかさんを観た気がするんだけどどの曲だっけ…?

MC3

MCのアンコールありがとうございますッ!!の言い方が完全にふざけてて最高(笑)

まじ皆ごきげんなグッズ紹介が最高。マネージャーさんが裏でグッズを持って映してくれてるのおもしろ、と思った。フェスの他のアーティストのステージでタオル振らせるくだりとか、ひとしライトプリーズ!!のくだりとか、ぬるめのteaとか、恒例のメンバーが何入れるかコーナーでフクダさんが投げやりにカルピスって答えるところとか、火をつけたら火がつくやつとか、お気に入りのマステはどれ?ってマネージャーさんに訊いて無言でこれ!!って映し出すくだりとか、繰り返しパシられるひとしとか、ひつじちゃんがお気に入りなのに赤ばっかり当たっちゃって全部まとってるマネ山本さんとか、終始ゆるい雰囲気が流れつつめっちゃ面白かった😂ていうか後から見返したらアンコールだけで30分も尺取ってくれてて贅沢なライブだったね…?

EN2. powers

タオルを右手にって言って自分で笑っちゃうモエカさん(笑)音源よりもメロディに自由度が溢れていて楽しさマシマシだった!最後にこっちに近づいてくれた!

EN3. 夜を越えて

オーラス。忘れてた!!!これまでのフェスでも幾度となく最後に起用されていたのに!!最後にこれを聴けて良かった!ビカビカなライトとともに終りを迎えていくライブ、あっという間に終わってしまった…。

結びにかえて セトリ予想の総括

ツアー開始前に過去のフェスの演奏履歴からセトリ予想をしたのでその総括をして本稿を結びたい。予想記事は以下から参照できる。

yominabe.hateblo.jp

まず新譜曲だけ抜き出すと、hopi (#1)→光るとき (#2)→電波の街 (#4)→金色 (#5)→キャロル (#8)→くだらない (#7)→予感 (#12)→OOPARTS (#10)→パーティーはすぐそこ (#3)→マヨイガ (#11)→ワンダー (#9)と、曲順が劇的に変わったのは#3だけで、それ以外は微妙に前後させる構成で、大きく動かす曲数とその選択はかなり予想外のものだった。

そしてアンコールに新譜曲を持ってこないのも予想外だった。おおよそ、あの曲やってないからアンコールでやるんじゃない?なんてアンコール待ちのときに目星がつくものだが、新譜曲がなかったおかげでだいぶ惑わされた。

しかし結果的に新譜以外の曲は、直前のEPから4曲と残りは過去1年のフェスでの演奏頻度1~6位を網羅していた。満足していたので2日後に口ずさみながら歩くまで全然気づかなかったのだが、「ラッキー」やってなかったじゃん!!これは想定外だった!!「1999」をついに外したのも驚き、クリスマス曲枠は「キャロル」に引き継がれたのだろうか、それとも次回また元に戻るのか。「キャロル」はお気に入りなのでまた聴きたいな。冬のライブで揃って演奏してくれないかな。「人間だった」も本編でやらなかった時点でマークを外していたので不意打ちだった!

「雨」が今回完全ノーマークだった唯一の曲だったが、たしかに梅雨のツアーだったしな。まあこれは最初のアルバムをまだ聴いてないので仕方ない。

ただしそれらを除いて*3は、採用された既存曲の序盤・中盤・終盤配置はかなり予想通りだったので、初めて予想してみたにしては上出来だったんじゃないか。次回はもっと精度良く出来る気がする。

 

唯一心残りだったのが前回の予想記事に反応してくださりフォローしてくださった方に挨拶できなかったこと。着ている服の写真も撮って準備していたのに、昼間バテて日和っちゃった🙄次もまたご一緒できますように…!!その時こそはご挨拶できますように!!


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*1:この後もノーマークの曲がたくさん来たらどうしようと身構えたものの、結果的にこの曲だけだった。

*2:それまでは簡略版の押さえ方で弾いていたけど、それにだいぶ慣れてきて、最近それまで省略してきた薬指も伸ばせるようになってきた。詳細は以下の記事参照。

yominabe.hateblo.jp

*3:ってほとんど残ってない気がするけど。笑