読み鍋屋

杓子を逃げしものや何

好きなアニメ主題歌が4曲も令和4年アニソン大賞の受賞作品になった

はじめに

2022年(令和4年)は私にとって最もアニメの流行に乗る年だった。映画は「名探偵コナン」「五等分の花嫁」「ONE PIECE」「すずめの戸締まり」といった話題作を観に行ったし、テレビアニメも「その着せ替え人形は恋をする」「リコリス・リコイル」「ぼっち・ざ・ろっく!」にハマり、「平家物語」「SPY×FAMILY」「チェンソーマン」にも人並みにハマった。

そんな空前のミーハー年にたまたまそうだったのか、それとも元々毎年そうだったのかは判断できないが、これらの作品の主題歌や劇中歌には名曲がずらりと並んでいた気がする。J-POPで不動の地位を確立しているアーティストやロック界隈で名前が浸透し始めたバンドが全力で勝負を仕掛けてきた名曲もあれば、キャラクターや作品コンセプトに合う歌唱未経験アーティストが作品のコンセプトに合う曲を歌い上げた名曲もあった。

そう感じていた私の感覚はどうやら間違っていなかったようで、自分のパソコンの音楽ライブラリに追加してヘビロテしていた曲がなんと4曲も「令和4年アニソン大賞」で賞を受賞していた。同じ部門設定である令和2年と令和3年の受賞楽曲で私が好きになったのは、「Easy Breezy」(chelmico, 「映像研には手を出すな!」OP, 令和2年アーティストソング賞)と「愛のシュプリーム!」(fhána, 「小林さんちのメイドラゴンS」OP, 令和3年作品賞)と、今年に入って遅ればせながら好きになった「Cry Baby」(Official髭男dism, 「東京リベンジャーズ」OP, 令和3年作曲賞)と2年間で3曲だった*1。2年間の平均が年間1.5曲だったところから一気に2.5曲増である。

そこで本稿ではそれらの受賞曲の好きなところ、また惜しくも受賞には届かなかったもののノミネートされた楽曲についても、好きなところを書き連ねていく。

本稿で紹介する全7曲のプレイリストはこちら。

受賞作品

大賞 米津玄師「KICK BACK」

チェンソーマン」OP。大事な締切を控えていて、視聴を我慢していたが、そのときから米津玄師のOPがやばいという話はTwitterでもリアルな知り合いからも聞こえてきていた。チェーンソーの起動音から始まるイントロ、ダミ声で終始お届けされるメロディ、少しの憂いを抱えたような繊細なサビのメロディ、疾走感あふれるワンコーラス…をオンエアで聴いて気に入って購入してフルで聴いてみたら2番終わりで度肝抜かれた!!まるで地上の道路を爆走していたらおもむろに離陸して気づいたら雲の上に突き抜けていたかのような展開、呆気にとられた…!目まぐるしさが最高。MVも曲にめちゃめちゃハマった超展開。笑 


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OP映像でオマージュされている色んな映画、じっくり観てみたいな~。最初の逆再生される4人と、ボウリングの球を拭いてるデンジくんと、寄生虫を食べさせられそうになるデンジくんと、爆発から去るパワーと、最後踊ってるデンパワが好き。てかパワーの七分丈ズボン良い。

裏大賞・ユーザー投票賞 さユり「花の塔」

このブログで狂ったように記事を連投してきたアニメ「リコリス・リコイル」のED。終盤にインサートしてイントロが終わったらED映像に入るその様子から「Get Wild」になぞらえる人もしばしば。おそらく最初からそういう使い方を想定して発注されたんだろうけど、その要求に120%応えるキャッチーなイントロ、その後はキャラクターたちのセリフを殺さずに曲もしっかり主張する良曲。爽快なEDも、感動するEDも、どうなっちゃうの?!と胃が痛くなるEDもこの1曲が全て担ってくれた。

イントロとサビ直前のギターが特にめちゃめちゃかっこいい。最初はサビの転調で引っかかっていたけど、フルで聴くようになってから2番は転調していない事に気づき、やがてその転調も癖になっていった。文句なしの今年の再生回数ダントツ曲。


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EDで一人のたきなが千束と出会う歌詞通りのストーリーはもう好きって言うしかない…!!わずか4ヶ月半で900再生…笑 さユりのことはこの曲で初めて知ったけど、こないだおすすめしてもらったので近いうちに他の曲も聴いてみたい。

キャラクターソング賞 結束バンド「青春コンプレックス」

大事な締切が明けるまでのとっておきにしていたアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」のOP。バンドメンバーが主人公のアニメなのでOPにも気合が入っている…というか今年出会った曲の中で一番ギターがかっこいい!!イントロのジャッ!ジャッ!ジャッ!!がまずシンプルにかっこいいでしょう、ほんでイントロのリフが真似したくなるかっこよさでしょう、さらにAメロとBメロの間に入るギターリフがかっこいいしおしゃれなんですわ!!!キーボードでも映えるフレーズをギターで弾いててめちゃめちゃかっこいいのよ!!

喜多ちゃんの歌声がまた力強くて良い、「どうしようもなく愛を欲していた」の語尾の下がり方が首が徐々にしまっていくかのような声の絞り方でオトナな感じで良い…!ぼっちちゃんの内面を克明に表した歌詞がまた良い、言葉で表す感情は喜多ちゃんに任せて自らはギターの音色に載せてるのがかっこいい!!コードを挟みつつかっこいいリフに遊びを加えた裏メロディを鳴らすスタイルも心地良い歪みのかかった音色も、わたくしの大好きな赤い公園津野米咲さんを思い出させるギターで大好きなんです!!!喜多ちゃんのコード弾きパートとぼっちちゃんのリフ弾きで左右のチャンネルがぱっきり分かれているので、右耳のイヤホンを外せない。笑


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OP映像は色んなアニメのいろんな好き要素を詰め込んでて、ぼっちちゃんがイッヌに散歩させられてるのも、結束バンドの4人がたくさん出てきてくれるのも(特に淡色系の4人と図形の穴からひょこっと現れる3人が好き)、楽器がぐるぐる回りながらぼっちちゃんが走ってるのも、きくりさんが一人で酒を煽ってるのも終始好き!!!

ていうかキャラクターソング賞のノミネート、5曲中3曲が結束バンドとか強すぎん…?CDアルバムを予約したから他の音源を購入するのは我慢して、最近はこの曲だけヘビロテしているけど、早く他の曲と合わせてヘビロテしたい~~!!

アーティストソング賞 official髭男dism「ミックスナッツ」

SPY×FAMILY」第1クールOP。EDの星野源と合わせて主題歌の担当アーティストが発表されたときには、アニソン史上最強の主題歌コンビなんじゃないか…?!とめちゃめちゃテンションが上がった。そのテンションを裏切らないおもちゃ箱みたいな曲。最初聴いたときには、目まぐるしく鳴り響く他パートに一音ずつ力強いピアノが伴走しているのを聴いて、ん?何か他の音源が混ざっちゃったかしら…?と感じたが、程なくしてピアノも加速して他のパートと合体して、歌い出し直前にはダーツの矢がど真ん中に的中したときに鳴るファンファーレのようなスカッとするブラス!!荒れ狂うギターもかっこいい、こないだテレビで演奏する姿を見たら左手が冗談みたいにとめどなく動いていて、やば…常人には無理…と完全に白旗だった。笑 イントロだけでも何度も聴きたくなってしまう要素が詰まっている!!サビの「か~みくっだ~いてっもっな~くならっな~い♪」のリズムが大変癖になる。


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おもちゃ箱みたいな曲調に映像の方もよくフィットしている。アメコミ漫画風のタッチ良き。サビからは漫画デフォルメでなくなり本編と同じタッチに。3人がピタッと一時停止するところが好き。

ノミネート作品

作品賞 ClariS「ALIVE」

リコリス・リコイル」、先程EDの「花の塔」を紹介したが今度はOP。こっちの曲もかっこいいんです!!一番好きなのはBメロ「最果てなんて睨んでなくても」の「ジャン!ジャン!ジャン!」×2のコード運び!!ストリングスで醸し出される切実さ、切迫感が良き。最終回アレンジも最高だった…!!


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映像のすべてが良い。最後のスタンドバイミーオマージュがやたら有名になったけど、その前の色んな服を着てるところも喫茶リコリコの店内がPANでワンシーンで映されるところも二人が任務で決め顔しているところも全部良い!!

アーティストソング賞 羊文学「光るとき」

平家物語」OP。今年最初に好きになったアニメ主題歌。この曲きっかけで羊文学を好きになった。詳細は過去の記事にも書いたけど、かいつまんで言うと間奏のリバーブがめちゃめちゃかかったギターに度肝を抜かれた。平家物語の結末を暗示しつつも現代の私達の背中を押す歌詞も大変好きです。

 

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過去の本曲のレビューはこちらの記事に載せました。

モエカさんのギターはシンプルながら色んな音色を駆使していて飽きることがない。これまでの再生回数は800回弱で、「花の塔」に次ぐ今年2位の再生回数だった。


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新人賞 あかせあかり「恋ノ行方」

「その着せ替え人形は恋をする」ED。「恋愛サーキュレーション」のような甘いラブソング系主題歌!ゆったりとしたコード進行に乗っかるドラムとシンセが大変心地良い!!ボーカルがまたギャル感とキュン感をうまく表現していて、この曲がメジャーデビュー曲だとは思えない歌声!

 

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この記事でもレビューしました。


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等身小さめでデフォルメされたまりんちゃんとごじょーくんかわいい!!2期楽しみ!!

おわりに

アニメの主題歌は、毎話観ることによる刷り込み効果で再生回数が伸びる側面ももちろんあるが、本稿で紹介した楽曲はその効果なしでも繰り返し聴きたくなる名曲ばかり。アニソンを侮るなかれ。来年も素敵なアニソンにたくさん出会えますように!

*1:ノミネート作品では今年に入って「薔薇と私」(星野薫(大地葉)・沢田千夏(松田利冴)・沢田千秋(松田颯水), 「かげきしょうじょ!!」ED, 令和3年キャラクターソング賞)も好きになった。