読み鍋屋

杓子を逃げしものや何

「五等分の花嫁」1期第1話を観て初見で声優を当てる試み

はじめに

私p.w.θの「五等分の花嫁」との出会いはアニメイトである。目当ての他作品がなかなか見つからない中、本作はスペースが広く取られていたので気になっていた。自粛期間になったこの機会に見てみようと思い立ち観始めたところ、3日で2クールを観きってしまうくらい気に入った。

本作は貧乏な家庭に父、妹と3人で暮らす、テストで五教科満点を取るのが当たり前の天才主人公・上杉風太郎が、お金持ちの父を持つ、勉強が苦手で全教科赤点の五つ子を、全教科赤点回避させるべく家庭教師になるラブコメディである。冒頭で主人公が5人の誰かと結婚することが明かされ、誰と結婚するかが本作の見所の一つである。私は序盤ではテンプレ的な展開にニヤニヤしたり、風太郎と打ち解けずに集まってくれない5人に風太郎のようにヤキモキしたりしていた。その後、半ば惰性で観る回を経たが、風太郎と五つ子が本格的に打ち解けだして話がうねり始める二期で本格的にハマった。詳しい感想はそのうち改めて別稿でまとめたい。

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好きなクリエイターの新作ラッシュのお陰で中世日本の解像度が上がる

はじめに

今クールのエンタメ作品がアツい!

今クールはリアタイうきうき作品が多い。伊藤沙莉の出演する月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」、高橋一生の出演するNHKよるドラ「恋せぬふたり」が先週から始まった。既に録画を溜めてしまっているが、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」は私が2番目に好きな朝ドラ「ちりとてちん」の脚本を担当した藤本有紀さんがまた担当している。

これらはとりあえず様子を見てみるか、あるいは追い付かなければといった状況だが、今クールの映像作品の中で1話を観て最も面白かったのは、三谷幸喜脚本の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」だった。そして最も心待ちにしていたのが、アニメ「平家物語」である。本作の監督を務める山田尚子は「けいおん!」を監督している。私は昨年の今頃「けいおん!」に出会い、生涯の中でも好きな何本かの作品のひとつとなった。2018年の映画「リズと青い鳥」以来、山田尚子監督の新作は発表されず、京アニの別作品の各話演出への参加もしていなかったので、新作を心待ちにしていたところにやってきた朗報。しかも今回は京アニを飛び出して、「映像研には手を出すな!」「四畳半神話大系」などを製作したサイエンスSARUで製作するらしい、とあれば期待値はカンストせざるを得ない。また、「魔神探偵脳噛ネウロ」「暗殺教室」の作者である松井優征が、昨年から週刊少年ジャンプにて「逃げ上手の若君」の連載を始め、単行本が既に4巻まで刊行されている。こちらも7年前に「暗殺教室」にはまった私が楽しみにしていた新作である。

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赤い公園のラブソングは絶品

はじめに

赤い公園は昨年5月に解散した女性4人組のバンドである。ギターの津野米咲さんがほぼすべての楽曲の作詞作曲を務めていたが、2020年10月に急逝してしまった。それ以来私は精神的に不調な時期が続き、しんどい気分になるのを避けるために赤い公園の曲から距離を置いていた。昨年10月に津野さんの一周忌を迎えた前後にいきなり寒くなったのに伴って、気持ちの切り替えができてメンタルが整った私は、ここ1ヶ月半くらい、一昨年と同じくらいのペースで赤い公園を聴けるようになっていた。また純粋に曲を楽しめるようになったのが嬉しい。

赤い公園は様々な曲調があるのが魅力的なバンドである。特にラブソングという限られたジャンルにフォーカスしてみると、曲中のシチュエーションや比喩表現が幅広く、演奏での情景描写が鮮やかなことがよく分かる。そこで、本稿ではそのシチュエーション、比喩表現、情景描写に着目して赤い公園のラブソングをレビューする。全曲を網羅するのは諦め、私が「赤い公園のラブソング」としてすぐに思いつくお気に入り13曲とおまけ1曲に絞って紹介する。spotifyでプレイリストを作ってみたが、ユーザーでなくてもサビの末尾30秒は試聴できるようなので、ぜひ聴きながら読んでほしい。各曲の冒頭には歌詞のリンクも貼り付けたので、そちらをまず読みながら聴くのもおすすめ。

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放課後ティータイムのギタリストとしての唯ちゃんをたどる その2

はじめに

テレビアニメ「けいおん!」の主人公たちが組むバンド「放課後ティータイム」のギター平沢唯の誕生日を祝う企画として、唯ちゃんのギター演奏にフォーカスした連載記事を書き始めた。今回はその第2回。推しのことを存分に語っているので、今回は特別お題「わたしの推し」の応募記事として投稿する。前回同様、本稿では「5弦2フレット」などの押さえる位置を5-2fと略記する。リスナーとしての曲の好きなところも、かつて別稿にまとめたものを再構成してまとめた。今回は「カレーのちライス」「わたしの恋はホッチキス」「ふでペン~ボールペン~」「冬の日」のレビュー。前回の「ふわふわ時間」レビューよりもサクサク行きます。

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2021年の音楽再生回数レビュー

今年聞いた楽曲の再生回数を、月間と年間の2つの切り口からただ淡々と書き連ねていきます。この曲のここがいい!とかは別稿にあったりなかったりする。

総評

今年は史上最も再生回数の多い年であった。last.fmにより集計されたscrobble(musicbeeにより集計されるscrobbleの体感98%程度をカバー)回数は1100曲延べ37056回で、これはscrobble集計を始めた2019年以来でダントツである(2019年は13408回、2020年は24295回)。再生回数増加の背景は過去の別稿にまとめたが、月間3000scrobbleを達成した月が7回、2500scrobbleを達成した月が11回と、2020年の0回/1回から圧倒的な飛躍を遂げた。その要因を各月、各アーティストにフォーカスして分析する。

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TVドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」と映画「TOVE/トーベ」を観て、恋愛・婚姻関係を解消した元パートナーの関係性について考えた

はじめに

この1ヶ月に観て印象に残った実写ドラマが2つある。ひとつは今年の春クールに放送されたTVドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」(以下「まめ夫」と表記)、もうひとつは昨年フィンランドで公開され、日本では今年公開された「TOVE/トーベ」(以下「TOVE」と表記)である。この二作はともに登場人物の恋愛・婚姻関係の終焉とその前後を描いており、そして描き方の方向性も近い気がしたので、この2つを結びつけてこのテーマについて考えた。本稿ではそれをまとめたい。以下、当該テーマに関する両作品のネタバレを含むので、回避したい方はここで引き返していただいた方が良いかもしれない。まあこのブログのタイトルの時点で少しはネタバレしているけれど、このくらいはご容赦願いたい。

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2021年に初めて観た映画ランキング

今年も残すところあと一週間だ。今年は9月まで新しい映画やアニメを見るブームが訪れていたが、最近はその熱も冷め、今までに観たものをもう一度観たり、テレビドラマを観たりしているので、もう今年中には新しい映画と出会うことはなさそうだ。ということで、まだ2021年は少し残っているが、この時点で今年観たベスト映画をまとめようと思う。

私は今年37本の映画を初めて観た。そのうち(国内で)今年公開されて映画館で鑑賞したのが10本、昨年までに公開されて自宅や午前十時の映画祭などで鑑賞したのが27本であった。この中からそれぞれ3本ずつ良かった映画を挙げ、それぞれの感想を書く。

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