読み鍋屋

杓子を逃げしものや何

すみだ水族館のペンギンを見分けたい

はじめに

暑い夏が続いていますね。皆さんお元気ですか。私はすみだ水族館のペンギンに心奪われています。2024年の夏クールはすみだ水族館の夏です。

リコリコの「さかなー!」「チンアナゴー!」で有名な第4話の水族館シーン、その舞台がすみだ水族館である。昨年首都圏に引っ越してから、誰かリコリコを好きな友だちを誘って聖地巡礼したいと構想するもその時は訪れず早1年。ついに近くに住む、本ブログの共同運営者・一梨透氏がリコリコを観てハマったとの報を受けた。

yominabe.hateblo.jp

私がリコリコの4話に狂っていた様子はこちら。

そしておあつらえ向きなことにその一梨氏が東京ソラマチで行われる台湾祭に誘ってくれた(我々は6人グループで6年前に台湾旅行をしたのだった)。せっかくなので同じ東京ソラマチにあるすみだ水族館に遊びに行こうということになった。2,500円の入館料を払って聖地巡礼ポーズもして一通り遊んで目に入ったのは「差額を払えば年間パスポート発行できます!」の文字。入館2回ちょっと分のお金を払うだけで1年間いつでも入ることができるなら買うしかないと年パスを手に入れた。休日に東京に遊びに行く用事がある時、ちょっと空いた時間に訪れる場所ができた、と気楽なことを思っていたのもつかの間、転がり落ちるようにペンギン沼にハマってしまった。56匹のマゼランペンギンのコミュニティを観察するのが楽しくて仕方ない。

  • はじめに
  • 沼の入口、推しペン診断
  • 一匹ずつ餌をあげた子を見分ける飼育員さんたち
  • そして56匹判別の道へ…
  • インスタ始めました
  • 終わりに
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「響け!ユーフォニアム」にのめり込んで初めて「リズと青い鳥」のどエラさを理解した

はじめに

ユーフォ3期が最終回を迎える直前なのにこんな記事を書いていて良いのであろうか。でも最終回を迎えたあとだとその余韻で吹っ飛んでしまいそうだからあえて書き留めておきたい。

なんのことを言っているのかというと…「リズと青い鳥」である。久美子たち主人公学年のもう一つ上の先輩部員2人・傘木希美と鎧塚みぞれを主人公とした映画で、「響け!ユーフォニアム」では1・2期でシリーズ演出を務めた山田尚子が監督している。最終回直前そわそわ週間に突入した私は、2月に1期から時系列順に通しで視聴して以来4ヶ月ぶり3度目となる、劇場版「リズと青い鳥」の鑑賞をした*1

3度目の鑑賞で、これまでに自分で観て思い至らなかったところや、演出について読み漁った数々の考察記事には(わかりやすくて逆に?)言及されなかった見どころがたくさん見つかったので筆を執った。次項からしばし自分語りに入るので、手っ取り早く感想を読みたい方は「今回記す感想の趣旨」に移行されたい。

  • はじめに
  • 初見時のおぼろげな記憶
  • 2度目の少し鮮明な記憶
  • 今回の鑑賞時の私の予習状況
  • 今回記す感想の趣旨
  • 課題曲「リズと青い鳥」第三楽章の希美とみぞれの演奏の変化
    • 1度目
    • 2&3度目
    • 4度目
  • 環境音としての練習音
  • その他の感想
    • 登校して音楽室にたどり着くまでのシーン
    • キャラデザはのぞみぞ(主にみぞれ?)からみた視界説
    • 各楽章は絵本のその場面に対応するのか!
    • 鎧塚と剣崎
    • 緑輝がみぞれに話しかける場面、実はシリーズ中唯一では?
    • みぞれが最後の全体練習の後理科室に希美を追いかける場面
    • 結局これはハッピーエンドなの?
    • 山田尚子監督も青い鳥のようだね…
  • どうして3度目までに気づかなかったのか?
    • 本作の情報量がとにかく多い
    • ユーフォ本編が比較対象となった
    • 良いイヤホンで聴いた
  • 終わりに

*1:リズと青い鳥」というタイトルは、本稿で主題とする映画の他に、劇中で取り上げられる絵本と、その絵本から着想を得て作られ、劇中では主人公たちの所属する吹奏楽部のコンクール課題曲にも設定された楽曲の3つの作品につけられている。特記しない限り、本稿では映画のことを指す。

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あまのしんさんのくみあす同人誌レビュー18本

はじめに

今年1月に「響け!ユーフォニアム」にドハマリした。特に2期は涙腺がゆるゆるになり、7話「えきびるコンサート」以降の久美子とあすか先輩を取り巻くシーンに毎度涙していた。次が気になる展開続きで、あっという間にアンコン編まで観終えてしまい、Twitter*1をあさり始めたところ、あまのしんさんという同人作家さんが素敵なイラストを描いているのを発見した。

今となっては正確に思い出せないけど、たぶんこれが初めて目にしたあまのしんさんのイラストだったと思う。

あまのしんさんのメロンブックスのリンクを見てみると、人気でかつ多作であるらしい。試しに最初に3冊購入してみたところ、アニメとキャラデザが違う感じなのに本編で見覚えがあるような表情だけでなく、ご本人のスタイルが確立されたコミカルな表情がめちゃめちゃ上手で、お話も面白くて、あっという間に読み終えてしまった。ちょうど2月は私が初めての二次創作漫画を描いていたころ。思うように描けない忸怩たる思いを抱えていたから、なおさらあまのしんさんの絵柄の魅力が身にしみた。

間もなく他の作品も読んでみたい!!という欲が高まり、2月末にはその頃メロンブックスに在庫があったすべての作品を手に入れ、4月にはみやこメッセで行われた即売会「サンフェス」に向けて製作された新刊も手に入れた。14冊18作品のすべてがすばらしかったので、この記事では各刊の素晴らしいポイントを刊行順にレビューしていきたい。なおすべて全年齢作品である。

  • はじめに
  • 久美子とあすかの卒業エンドロール (2017年1月)
  • ユメみて凱旋ダンス (2018年3月)
  • くみこ9才 (2018年6月)
  • みつめてアーティスティック (2018年9月)
  • いきなりユーフォニアム (2019年9月)
  • 5秒でdo-sei (2020年5月)
  • AIと低音の調べ (2021年1月)
  • Crossing (2021年4月)
  • たのしいOOイリュージョン (2022年1月)
  • NUSW (2022年4月)
  • NUSW Vol. 2 (2022年9月)
  • Step to you (2023年1月)
  • なんでいるの!お姉ちゃん (2023年4月)
  • 異世界に召喚された私達は恋愛成就するまで帰れない (2023年8月)
  • ふたりのサマー (2023年8月)
  • 疑惑のウィンターホリデイ (2024年1月)
  • LIKE A SUPER DARLING (2024年4月)
  • らくがきパッション♪(2024年4月)
  • おわりに

*1:未だにXと呼ぶのは慣れない

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この5ヶ月間に読んだマンガのひとくちレビュー17本

はじめに

今年5月に引っ越した。前に住んでいた家は初めての一人暮らしだったので、一人で楽しめる様々な趣味を増やした。2019年に、午前十時の映画祭で往年の名作映画をたくさん観て、2020年のコロナ禍にようやくAmazon Primeを契約し、映画やアニメを色々と観るようになってからは、基本的にフィクション作品は映像で楽しんできた。しかし引っ越してからは環境が変化して疲れ気味だったり、休日にお出かけしやすい環境になって自宅を留守にする時間が長くなったりしたことで、映像作品をじっくり楽しむのが疲れると感じるようになってきた。昨年は流行りの作品を追いかけていたので、1週間新しい回を待つエネルギーを消費したというのもある。

そんな中、赤い公園繋がりのフォロワーさんと遊ぶために立川に遊ぶ機会が訪れた。立川は赤い公園のホームタウンであり、かつて市役所だった建物の前の公園に赤い公園のベンチが設置されている。そしてその建物の中には立川まんがぱーくという、公営(正確には立川市が民間に委託しているらしい)のマンガ喫茶がある。ネットカフェと違い明るく開放的で、老若男女が館内のあちこちでリラックスしてマンガを読んでいる素敵な空間だ。そこで読みたいマンガを何作品か読んでいるうちに、自分のペースでパラパラとめくることができ、消費時間に対して情報の濃度が高いマンガこそ今の自分のコンディションに合う媒体なのでは、と思い、マンガのサブスクを始めよう!と思い立った。

宅配レンタルや電子書籍読み放題、ネットカフェを色々と検討した結果、最もコスパが良かったのがTSUTAYAの店頭借り放題サービスだった。一度に5冊借りられて、返却すればその日のうちでも次の5冊を借りられる。人気作品が一通り揃っていて(電子書籍の読み放題サービスが手薄がち)、貸し出されていない限り、営業時間内なら続きをすぐに手に取ることができて(宅配だと返して借りるのに数日かかる)、家でのんびり読むことができて(時間制のネットカフェだとどうしてもせかせか読んでしまう)、本棚を見ながら気になった作品を手に取ることができて、月額1100円。私のベストアンサーはTSUTAYAだった。

そういうわけで6月中旬から5ヶ月、最初の何巻か読んでフェードアウトした作品を除けば、17もの作品を(旧作入りしている中での)最新巻または最終巻まで読破した。読み始めた日付順に、軽いあらすじ、読み始めたきっかけ、好きなところを書いていく。タイトル、作者、出版社、掲載誌*1、巻数*2の順に表記する。興味が出たらそのまま1話を読めるように、試し読みリンクを貼った(ページを遷移しなくともそのまま読めるという点で、講談社が一歩リードだね)。

物語の核心に触れる直接的なネタバレは回避しているが、作品のイメージを語る上でのネタバレは時折するので注意。

*1:途中で移籍している場合は最新の掲載誌

*2:「全○巻」と表記したものは完結済み、「既刊○巻」と表記したものは連載中

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所在ない夜に聴く赤い公園

はじめに

史上最高に暑い夏がようやっと終わったと思ったら、急に肌寒い秋がやってきた。先週からいきなり金木犀の香りが漂い出したことや、お気に入りの秋服をクローゼットから引っ張り出すことのできる喜びと同時に、ふと自分の孤独に対面して、ただやり過ごすには長い夜がやってきた。ここ数年毎年繰り返しているのに、毎年所在なく心細い気分になる。そんな気分になるのはたぶん、この季節の冷え込みのせいだけではなくて、私の敬愛する赤い公園津野米咲さんがこの世を去ってしまった季節だからだと思う。去年はそんなことを考える暇なく本業がいそがしく、一昨年はむしろ命日を境に気温が下がったことが気持ちの切り替えのきっかけになった。

そういうわけで今年ようやく平常運転で秋を迎えた。この記事は津野さんの命日に津野さんに思いを馳せるために書いているけれど、そういうコンテキストを抜きにしても、赤い公園には静かながらも聴き応えのある曲が多い。それまで基本的にアップテンポな曲ばかり気に入って聴いてきた私が、穏やかな曲も好んで聴くようになったきっかけは赤い公園だ。たまたま私が聴き始めたのが一人暮らしが本格化した頃だったというのもあるけれど、元気な曲から穏やかな曲まで守備範囲が広いからこそ、赤い公園から穏やかな曲に手を伸ばすようになったと思う。

ということで、私のように、冷え込んで所在ない夜を迎え始めた皆さんに、そんな夜を伴走してくれる赤い公園の楽曲を紹介する。ここに挙げた曲だけだとちょっと駆け足な感じがするけど、順番に聴いて調子を取り戻しやすいよう、穏やかな曲から元気な曲の順に並べていくので、気分に合わせて聴いてみてほしい。

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鹿児島・天文館おすすめのランチと飲み屋

はじめに

何とは言わないが鹿児島にたくさん人が集まるイベントがあるらしい。(国体という言い訳をするために早めに記事を投稿する目論見は外れた。笑)というわけで鹿児島に4年半在住し、コロナ禍の前後に感染症の流行を見極めながらだましだましお気に入りのお店を増やしてきた筆者が、天文館鹿児島市役所近辺のおすすめのランチや飲み屋を紹介していく。あんまり鹿児島グルメ中心ではないのであしからず。笑 つべこべ言わずに次々紹介していくぜ!!

  • はじめに
  • ランチ
  • 飲み屋
    • あぶり 天文館
    • 大安
    • お酒肆 ~おしゅし~
    • 酒味の店 白鹿
    • DOLPHIN INDUSTORY
    • みやま本舗 天文館
    • Re:Ale
  • おわりに
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羊文学単独ツアー「if i were an angel,」ネタバレあり感想

はじめに

そっちはどう、調子はどう?私は12月にリリースされる羊文学のニューアルバムと4月の横浜アリーナ公演の報せを昨日聞いて大変ほくほくであります😎

去る9月15日、羊文学単独ツアー「if i were an angel,」の大阪公演2日目、はじめてファンクラブ先行で手に入れられたチケットで観に行った。整番が早く、2列目上手を確保してモエカさんを至近で観ることができた。私は昨年から3回目の参戦だったけど、その3回の中で間違いなく一番楽しめた。その感想を綴っていく。

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