読み鍋屋

杓子を逃げしものや何

「LIVE STAGE ぼっち・ざ・ろっく!」ネタバレあり感想

はじめに

8月13日、「LIVE STAGE ぼっち・ざ・ろっく!」の昼公演を鑑賞した。「ぼっち・ざ・ろっく!」は2022年に放映されたアニメの中で「リコリス・リコイル」と並ぶとも劣らないくらい好きな作品である。2.5次元の舞台が催されると聞いたときは、ふーんリコリコもこないだ2.5次元化してたし、最近は色んな作品が2.5次元化してるんやな~、くらいの興味しか持っていなかった。しかし、遊ぶ約束をしていた友達が急用で会えなくなり、さらに台風が接近。お盆を無為に過ごしてしまうかもしれない…!と思い、そういえばぼざろ舞台がちょうどお盆休みだったなあと思い出した。どうやら演奏できる人たちが演じるらしい。当日でもチケットが買えるとのことだったので、初めての2.5次元舞台に、ちょっとお値段は張るけど、目の前で芝居と音楽が両方楽しめるんだから払う価値はあるだろう、と思い立って、朝目覚めて昼公演のチケットを取った…ら、日付を間違えて次の日のチケットを取っちゃった!Σ( ̄□ ̄;)

たまたま次の日も予定がなかったからよかった。他の予定も考えた経路的には、翌日のほうが通り道だから結果オーライだと言い聞かせつつ、初めての2.5次元舞台に胸を高鳴らせながら、新宿駅東口を出て歌舞伎町タワーへと向かった。やっぱりお金を払っているだけあって(?)、スーツの社員さんがお出迎えしてくれるんだなあ。なんて思いながらまもなく始まるステージを待った。

そういうわけでここから下は、バンバンネタバレしながら初めての2.5次元舞台鑑賞の感想を綴っていく。

序盤 結束バンドの4人が揃うまで

今回の舞台はアニメで言うと初回から第8話をほとんど網羅していくストーリーだった。まず4人が揃う、だいたい3話くらいまでの感想を。

まず開幕。ぼっちちゃん出てきた…また出てきた?!いっぱい来た😂😂と思いながら大量のぼっちちゃんのコンテンポラリーダンスを見守る。間もなくして、あっオープニングのぼっちちゃんの家にズームしていく映像!!うおーぼざろが始まる!!!とボルテージが上がる。ステージ中央のやぐら(?)が回転するとそこにはぼっちちゃんの家の押し入れの中。あっ本物のぼっちちゃんキタッッッ!!!ギター抱えてる!!うおー早速ぼっちちゃんの生音が聞ける~~!!と思ってたら、最初に弾いてたのが「押し入れより愛を込めて」なのめちゃめちゃウケた😂😂続いて1話の、学校でギタリストアピールするけど全然声をかけてもらえないくだり。この辺からぼっちちゃんが2.5次元になったことによる挙動不審ぶりが際立っていった。笑 その後の場面でも、虹夏ちゃんの匂い嗅ぐところとか星歌さんとの初対面とかの距離感の近さ、金沢八景でのビラ配り、どれもコミュ障っぷりがコミカルに描かれていた。

程なくして虹夏ちゃん登場。ぼっちちゃんもそうだったけど、声がまんま虹夏ちゃんだった!!!もちろんアニメで鈴代紗弓さんが当てている声とは違うんだけど、テンションとか口調は完璧に再現されていて、そこに虹夏ちゃんがいた!画像だけだとコスプレって感じだし、アニメを観てからの舞台だから声のイメージは完全にできあがっちゃっててハードルが上がってるのに、それでもすんなり受け入れられる再現度の高さだった!!やっぱり人間の印象を決定づけるのは見た目だけじゃないんだな~と思った。…と言っておきながら見た目の話もするけれど、ふくらはぎが比較的たくましい感じ、おお…本物のドラマーだ…!!と感じられた。

虹夏ちゃんがぼっちちゃんを初めてSTARRYに連れていく場面、大道具が躍動していて舞台ならではの魅力が存分に味わえた!大道具を動かすことで街を歩いて進んでいく様子を表しているところとか、他のシーンで言うと下北のアーチをくぐって駅を出たのを表現するところとか。一番すごいと思ったのは階段を動かしながら登場人物がその階段を上り下りしていたところ!座席にずっと座っているはずなのに、色んなアングルから彼らの会話を眺めることができる不思議な感覚が味わえた。

つづけてリョウさん登場。スタイルがめちゃ良い…!!最初厚底の靴履いて足長めに見せてるのかしらと思ったくらいだったけど、次の登場シーンで普通の靴はいてても足の長い印象は変わらなかったから、あやっぱ本当に足長い人だ、と思った。たしかにこういう子ならお金貸して~ってやってきてもついつい許してしまいそうだわ…と謎の説得力が生まれていた。笑 個人的に黒タイツキャラに弱いというか、好きなキャラが黒タイツはいていがち(平沢唯、中野三玖etc.)なのも、自分に刺さった理由の一つだと思う。リアルに草もぐもぐしてるのも面白可愛かった~!帰りにブロマイド買っちゃった、人生初ブロマイド!

喜多ちゃんはあのキラキラしたキターン!をどう表現するんだろうと思っていたら、まんま白色光を光らせててめちゃめちゃ笑った。喜多ちゃんの笑顔が眩しい(物理)。ぼっちちゃんが喜多ちゃんを勧誘するくだりでイマジナリーパリピ虹リョウが実際に出てきてたのがめちゃめちゃ好き。笑 それからステージ上は濡らしちゃいけないのが常識のはずなのに、「アイデンティティの崩壊」のシーンを再現するために、わざわざたらいを持ってきて水風船を割ってたのが可笑しかった。

喜多ちゃんの最大の見せ場は間違えて6弦ギターを買っちゃったところ。ミュージカル映画だとまずはじめに連想するような、歌って踊りだす場面が不自然に始まった。喜多ちゃん歌もダンスもキレキレだった。

と思ったらこういうメタ的な文脈があったのね🤭

中盤~後半の印象深かった場面 

つづいて4話から8話までの(ライブシーン抜きの)感想を。

アー写を撮るくだり、GoProっぽいカメラを演者が持って舞台上のキャラクターを撮っていくそのライブ感がめちゃめちゃ好きでちょっと感動しちゃった。遠くの席で役者の表情に注目するのは諦めていたけど見せてくれたというのと、舞台の小道具がそのままスクリーンと連動している?!?!という驚き。ただ固定されたカメラの映像が背後のスクリーンに映されているのとは違って、本当に女子高生が撮っているエモい映像になっていたところが良かった。

長くなってきたのでかいつまんで他に好きだったところを2つ。まずきくりさんが観客席の後ろから出てきて観客の横を通っていった(そして私はその真横で観られた!!)ところ。客席とステージが地続きであることを感じさせてステージへの没入感を更に得られる、舞台の醍醐味演出だけど、酔っ払っていて自由なきくりさんだからこそ、ステージのくくりに縛られない動きに説得力が生まれた。次にふたりちゃんがハケていく大道具に向かって「大きいねえ」と言ったり、イマジナリーフレンドにリアクションして「ねえ、皆には見えないの?」と家族に聞いたりと、メタ的な発言をしていたところ。こちらも、舞台上で視覚化するに当たって、どうしても観客に虚構を受け入れてもらうための文脈が必要である、ということを逆手に取った舞台あるあるの演出だけど、そういう文脈を理解しない歳の子に絞って現実世界の眼差しに観客を戻すというレギュレーションが、このシーンを覚めずに観られるいい塩梅だった。

おっしゃるとおりだ…!!すごい!!

ライブシーン

そしてとにかく楽しみにしててソワソワしたのがライブシーン。アニメでも、日常パートの可笑しさとドチャクソかっこいいライブシーンが良いコントラストを作り出していたのがこの作品の好きなところだったし、2.5次元になって最も期待したのも、目の前で結束バンドが演奏するということだった。結果から言うと…期待以上に素晴らしかった!!まず芝居パートもそれなりに大きい音なのにそれを凌駕するライブシーンの音圧。まず耳に飛び込むのは虹夏ちゃんのパワフルなドラム。めちゃめちゃかっけぇ~~!リョウさんのドラムも喜多ちゃんのボーカルもアニメのまんま飛び出してきてて、ぼっちちゃんは猫背で弾いてる!!!

各シーンを振り返ってみる。まず1話で箱にこもって弾く場面、ステージの一番前に巨大段ボール箱がそびえ立つ異常性が際立つ。5話のオーディションのシーン、皆上手かったけどぼっちちゃんが際立ってる感じはそんなにしないな…🤔と思っていた…ら、8話の初ライブが圧巻だった!リョウさんのベースがちょっと走り気味に感じ、喜多ちゃんが最後の歌詞を間違えた(こっちは素なのかしら…)「ギターと孤独と青い惑星」、からのぼっちちゃんの独白からの圧巻のギターソロを完璧に再現した「あのバンド」!これこそが観たかった…現実にぼっちちゃんが目の前で覚醒している…!!あかん今書きながら思い出してたら鳥肌立ってきた、とにかくそこには結束バンドがいて、ぼっちちゃんが輝いていた。

なにが良いって我々観客のリアクション(手前味噌というより、周りの人たちもすごい…!!ってなった)。「ギターと孤独と青い惑星」のあとには本当に誰一人拍手せず、「あのバンド」のあとには万雷の拍手。まあ「あのバンド」でも劇中の観客の数からしたら、パラパラ鳴る程度だったと思うんだけど、あれは我慢出来ないよ、サビ前に一瞬静かになって皆の演奏が爆発するあのタイミングもパーペキだったし、とにかくかっこよかった、あれは全力で拍手せざるを得なかったよ…!

そんな観客へのご褒美と言わんばかりに、劇中では描かれなかった幻の3曲目、なんとOP「青春コンプレックス」を演奏してくれた!!!こんな素晴らしいアニメ再現を見せてくれたのにさらに嬉しい展開を持ってきてくれるの!!

そのあとカーテンコールを挟んで「Distortion!!」も。4曲も結束バンドの演奏を堪能できて最高だった。なぜか3回くらい出てきたカーテンコールも何か多幸感が溢れていてよかった。

終わりに

観る方も演る方もそのステージが見られるのは一度きり、という一発勝負の舞台をなるべく記憶すべく、感想を思い出しながらここまで書いてきた。シーンが前後して読みづらい感じになっているところも多々あった気がするけどご勘弁を。…ていうかアニメ8話までのダイジェストの台本を全部頭に入れて演じきった上に演奏も目立った失敗がなかった結束バンド陣、すごすぎるね…?とにかく2.5次元舞台が想像していた以上に素晴らしかったし、また他の作品で機会があれば積極的に観に行きたいと思った。20日までやってるから都合が合う人は是非!!!

bocchi.rocks

観に行った回になんとアニメのぼっちちゃんの中の人・青山吉能さんが居合わせてた…同じ空気吸ってた…!Σ( ̄□ ̄;)