読み鍋屋

杓子を逃げしものや何

Vペンとの出会い

(手書きの文章のあとに活字でも同じ文章を載せます)

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私は大学に入ってから万年筆に出会った。どんなきっかけだったか忘れたけど、パイロットに1000円で買える万年筆があると聞いて*1、買って使ってみたら筆圧がなくていい。それまで受験勉強で愛用してきたシャーペンとは違う世界が広がっていた。それ以来、定期試験や公文書、宅配便の転写用紙など、筆記具が指定されているような機会を除いては、常に万年筆を使ってきた。3年生まではポケットに「kakuno」を入れて持ち歩き、数ヶ月にいっぺん失くしていて、もはや万年筆でなく数ヶ月筆であった。研究室に入った4年生からは、持ち運ばずに保管できるので、両親に誕生日に買ってもらって、廉価版でないちゃんとした万年筆を使うようになった。

それから数年が経ったが、これまで一定の場所に保管していて手元にないからとか、黒いインクのペンである必要があるためにブルーブラックのインクは使っちゃいけないとか、そういった不便な場面が時々あって、前者の対策のためにはもう一本自宅保管用に買おうかとか、後者のためには、ボールペンの中ならジェットストリームが好きだけど、黒だけじゃなくていろんなインクの色をコロコロ変えながら試せる 利点を考えたら、ガラスペンもいいな、とか考えていた。

そんな中、何気なく書店の文房具コーナーで目にしたのがパイロットのVペンである。ペン先が万年筆のようになっていて筆圧をかけて書く必要がないし、逆に筆圧が高い人が使っても壊れにくい。インク溜まりも表現できて美しい。その上なんとお値段200円なので、気兼ねなく持ち運びできる。メインの筆記具はやはり万年筆のままのつもりだけど、 サブの筆記具のエースとして私はこのVペンを起用することにした。さっき調べてみたら発売は1988年。何でこれまで出会わなかったのだろう。よろしくVペン。


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手前が万年筆、奥がVペン。

22/3/18提出 22/4/2公開

*1:「kakuno」という万年筆。エントリーモデルに最適なので、興味が出たらぜひ!