はじめに
2009年12月に集計を始めた楽曲再生回数、いわば一人音楽チャートにおいて、2022年5月12日に、100再生を記録した曲がついに400曲に達した。
この12年半で音楽の再生環境に色んな変化があった。集計し始めた頃はデスクトップPCのWindows Media Playerでの再生のみ対象としていた。やがてノートパソコンを手に入れ、移動時にもPCで音楽を再生するようになった。現在でも基本的にPCを音楽再生媒体としているが、そのことを居合わせた人に伝えるとしばしば驚かれる。やがて再生ソフトがmusicbeeに移行し、last.fmとの連携を開始し、スマホでの再生も集計対象とし、音源データを持っていないけどどうしても聴きたい曲はspotifyで聴いて、それも集計するようになった。
本稿ではこうして再生環境の変化を経ながら重ねてきた私の個人的な音楽聴取史を、曲数推移や内訳にフォーカスして振り返っていく。
ライフスタイルの変化と再生回数の関係
結構均等な感じに、実家暮らしと寮生活と一人暮らしの期間が集計された。いくつかのブームで曲数の勢いが跳ねた時期はあれど、一人暮らしを始めてしばらくした2019年中頃からすごい勢いで曲数が増えており、赤い公園、放課後ティータイム、羊文学とブームが入れ代わり立ち代わりあったものの、増加ペースはほとんど一定なのが面白い。逆に言えば、どれだけ熱中した曲やアーティストがあっても、ペースの上限が存在しており、この3年はほぼ上限に達したまま推移してきたということだろう。
再生回数分布
100曲から500曲までほぼ同じペースで減衰している様子がうかがえるが、600曲以上はやや不均質である様子がうかがえる。これはおそらくセットでヘビロテした数曲が同じくらいの回数になっていて、その塊が回数が多くなってくると目立つためであろう。これは以下の順位と回数の関係を表した両対数グラフを観るとさらに如実である。
400位から32位辺りまでいい感じに指数関数的な推移を見せていたのに、そこから急激に回数が失速する。まあこの近似直線のまま進んでいくと1位の回数は5600回になってしまう。ちなみに、5月12日時点では再生回数トップ10は以下の表のようになっており、せめぎ合う様子が見られる。
順位 | 曲名 | アーティスト名 | 回数 |
1 | 新しい文明開化 | 東京事変 | 1213 |
2 | Cagayake!GIRLS | 桜高軽音部 | 1177 |
3 | GO! GO! MANIAC | 放課後ティータイム | 1168 |
4 | 消えない | 赤い公園 | 1152 |
5 | NOW ON AIR | 赤い公園 | 1131 |
6 | 絶対的な関係 | 赤い公園 | 1118 |
7 | Listen!! | 放課後ティータイム | 1097 |
8 | 凛々爛々 | 赤い公園 | 1079 |
9 | ふわふわ時間 (Studio Mix) | 放課後ティータイム | 1077 |
10 | Highway Cabriolet | 赤い公園 | 1042 |
2011年11月9日に首位に立ってから今に至るまでの約10年半、再生回数1位の座を守ってきた「新しい文明開化」が追い抜かれる瞬間が、目前に迫っている。5月31日時点での1,2位の再生回数差はわずか26回、この5ヶ月での二者の再生回数差は104回であり、このペースだと7月2週目あたりに首位の座交代という激アツイベントが待っている。なお、2位と3位の回数差も今年に入ってから17回縮んでおり、「新しい文明開化」を引きずり下ろすのが「Cagayake!GIRLS」なのか、「GO! GO! MANIAC」なのか、それとも赤い公園の聴取ペースが上回り「消えない」がかっさらっていくのか、目が離せない展開だ。
ちなみにミックス違いを合計して集計した場合には、「ふわふわ時間」がStudio Mix1090回+映画Mix351回+Cassette Mix223回+Single ver.40回+#12Mix7回=1711回でぶっちぎり首位、「NOW ON AIR」がアルバムミックス1138回+宅録音源361回=1499回で2位、「ごはんはおかず」がStudio Mix833回+映画Mix281回+Cassette Mix8回=1122回で7位に浮上する。
アーティストごとの曲数分布
400曲の内訳をツリーマップで表したのが上の図である。赤い公園と東京事変の2強にけいおん!が追走する形。羊文学はこのとき15曲だが5月31日時点で21曲にまで増加し、じきにおジャ魔女とTHE BLUE HEARTSを抜き去り第4のアーティストになろうとしている。曲数は少ないものの、再生回数が上位50位に入っている曲を抱える京アニ、クリープハイプ、星野源や、集計初期にハマったウルフルズ、むしまるQ、この数年で初めてブームが訪れたリリィズ、髭男、スピッツ、アニメ主題歌が伸びたデジモン、輪るピングドラム、五等分の花嫁、ジブリと、様々な聴取史がうかがえるラインナップだ。
全達成曲一覧
最後に全達成曲を並べて本稿を締める。色はアーティストごとの分布と合わせており、1枚目にはその時期にハマった主要なアーティスト名を、2枚目には全曲名を記した。2枚目は字が細かく、長い曲名は途切れているが、アーティストの中でもどんな曲調の順に好きになっていったのかが伺えて興味深いかと思う。これから訪れる聴取史も楽しみだ。
22/5/31提出 22/6/18投稿