読み鍋屋

杓子を逃げしものや何

2022年の千葉ロッテマリーンズ優勝皮算用 投手編

はじめに 勝率1位でリーグ優勝してほしい!

明日3月25日は待ちに待ったNPBの開幕。私の応援するロッテは仙台で楽天とのビジターゲームを迎えるので、本稿では素人ながら今年のロッテが優勝するとしたらどんな成績を残すか予想する。

2年連続2位で迎える今年は、私が応援を始めた2005年から最も勝率1位優勝の可能性が高いと考えている。2005年と2010年に日本シリーズを制して日本一の称号を得ているが、リーグ順位はそれぞれ2位と3位で、勝率1位となると48年前の1974年まで遡らなければならない。そして昨年は51年ぶりに9月以降単独首位、優勝マジック点灯し、優勝目前だったが、結局失速しオリックスに優勝を譲ってしまった。そんなふうに優勝できるかもしれなかったということと、Yahoo!プレミアム会員の半年無料体験でパ・リーグ主催試合が見放題だったため、これまでで最も多くのロッテの試合中継を目にしていた。

印象に残った試合は、

*5連敗して迎えた6試合目に大量得点して勝利した試合(4/1)

*マーティンが甲子園での阪神戦でホームランを打った試合(5/25)

*小島くんが2試合連続完投で完封勝利して後半エースの名前をほしいままにした試合(9/19)

*ほっともっとでその日に二軍から緊急昇格したオリックス大下に代打ホームランからのサヨナラヒットを打たれて首位陥落した試合(9/7)

*佐々木朗希がマー君と投げあって8回2失点に抑え、9回裏にレアードがサヨナラホームランを打った試合(9/10)

*2回のヒロミナイト(4/21、10/15)

*京セラドームでの首位攻防戦で佐々木朗希が初対戦となる同学年の宮城くん相手に勝利して51年ぶりに優勝マジックが点灯した試合(10/14)

*千隼が唯一敗戦投手になりオリックスの優勝が決定した試合(10/27)

など色々あるが、最も記憶に残っているのは9月30日のオリックス戦である。マーティンが右足を骨折し欠場して苦戦を強いられつつも、1勝でもすればマジックが点灯するオリックスとの3連戦、2連敗して迎えた3試合目で2点差でリードしていた9回表、クローザー益田が3ランさえ避ければ勝てるという場面でまんまとT-岡田に3ランホームランを打たれて敗戦した。1時間くらい布団から動けなかった。その裏の攻撃でヒットを放ち2塁へ果敢に走塁するもアウトになってしまい悔しがるトシくんも鮮明に記憶に残っている。本当に優勝が現実に見えたシーズン、来年こそは達成してほしい。そこで今年は投手陣、野手陣の昨年までの成績から現実的に達成できそうな範囲で、優勝するためにはこんな成績を残す必要があるというのを本稿では考えてみる。第1回の今日は先発投手編。

そもそも優勝するための勝率、防御率、打率は?

各選手の成績予想をするには、優勝チームがどのくらいの成績を残しているのか考える必要がある。一覧はこんな感じになった。

リーグ チーム 勝率 打率 OPS 先発防 救援防 防御率
2012 86 43 0.667 0.256 0.693 2.35 1.8 2.16
2012 74 59 0.556 0.256 0.677 2.73 3.21 2.89
2013 84 53 0.613 0.262 0.727 3.52 2.57 3.2
2013 82 59 0.582 0.267 0.717 3.34 3.85 3.51
2014 82 61 0.573 0.257 0.712 3.36 4.01 3.58
2014 78 60 0.565 0.28 0.74 3.71 2.4 3.26
2015 76 65 0.539 0.257 0.699 3.68 2.67 3.31
2015 90 49 0.647 0.267 0.747 3.31 2.83 3.16
2016 89 52 0.631 0.272 0.765 3.29 3.06 3.21
2016 87 53 0.621 0.266 0.725 3.25 2.67 3.07
2017 88 51 0.633 0.273 0.769 3.71 2.77 3.39
2017 94 49 0.657 0.259 0.752 3.46 2.8 3.23
2018 82 59 0.582 0.262 0.78 4.26 3.87 4.12
2018 西 88 53 0.624 0.273 0.805 4.17 4.38 4.24
2019 77 64 0.546 0.257 0.758 3.83 3.68 3.77
2019 西 80 62 0.563 0.265 0.772 4.64 3.88 4.36
2020 67 45 0.598 0.255 0.739 3.2 3.6 3.34
2020 73 42 0.635 0.249 0.722 3.11 2.6 2.92
2021 73 52 0.584 0.254 0.731 3.63 3.25 3.48
2021 70 55 0.560 0.247 0.69 3.33 3.26 3.31

勝率は.590はほしい。できれば.600に乗せたい。投手中心のチームと打者中心のチームで比較的きれいに分かれている気がする。今年のロッテは投手のチームなので、本稿での各指標の目標は

打率:.255(17/21) OPS:.715(16/21)

先発防御率:3.43(11/21) 救援防御率:3.20(11/21) 防御率:3.34(12/21)

に設定する。カッコ内は10年間×2チームと今年の目標の21チーム中の順位。ちなみに昨年のロッテは順に.239、.700、3.95、3.22、3.67だったので、めちゃめちゃハードルが高いわけではない。

先発投手陣

全体的な展望

先発陣は去年より充実することが期待される。前半戦はローテがボロボロで後半戦は持ち直したため、今年所属している先発投手陣は合計で44勝35敗、勝率.557の成績を残した。今年は先発投手陣がチームを引っ張ってくれると信じており、61勝44敗、勝率.596予想をした。ここが揺らぐと一気に怪しくなる。

表ローテ 石川、小島、佐々木朗

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先発投手陣の上がり目である表ローテは石川、小島、佐々木朗の3選手。彼らは去年よりも長いイニング、あるいはいい防御率を残すことを期待したい。この3選手が怪我などで離脱すると一気に苦しくなる、頼みの3人。

石川は昨年肘の手術を受けて終盤に復帰し、長期間の戦いでバテた打線相手とはいえ、10月に3登板で防御率0.78を記録した。ただし開幕投手を務めてその後も毎週エース級ピッチャーと対戦することを考えると、勝数は伸び悩むかもしれない。

小島は後半に覚醒し、9月以降に3完投2完封、防御率2.37の好成績を残した。通年でこれほどの成績を残すのは難しいかもしれないが、キャリアハイを残すのは間違いない。星勘定はローテ2番手投手と当たる都合上去年より控えめに予想した。

佐々木朗は昨年初めて1軍デビューし、中10日で11試合に登板し防御率2.27の成績を残した。特に後半戦の防御率は1.22と圧巻だった。今年はマウンドさばきに慣れたことがプラス要素、登板数が増えてバテる可能性、相手チームのマークが激しくなっているだろうことがマイナス要素で、それらが相殺されることで去年と同じくらいの防御率になりそう。

裏ローテ 美馬、種市、二木、岩下、ロメロ

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昨年までの実績があり期待したい裏ローテ候補は美馬、種市、二木、岩下、ロメロの5人。通年ローテを守る選手は1人いるかいないかだと思うけど、4人くらいは半分以上の期間でローテを守ってくれて全員が少しずつ貯金をためてくれることを期待。

美馬は去年セ・リーグソフトバンク相手に相性の悪さを露呈し複数回の大炎上をやらかして、この5年間でワーストの成績を残していたので、過度な期待は避けているが、オープン戦では3試合で11回6失点。炎上したのは2週間前だったし、ベテランで調整方法も確立していて、開幕には調子を上げてきているのではないかと信じて、19・20年並の成績を残して数個の貯金を確保してくれるのではないかと予想した。

種市は20年にトミー・ジョン手術を受けて今年実戦復帰、井口監督が昨年の佐々木朗のような運用方法をすることを明言している。19年には23イニング連続奪三振日本記録を樹立し、8勝2敗の好成績を残していたエース候補なので、昨年の佐々木朗と同じくらいの星勘定をしておきたい。

二木は昨年エースナンバーを背負って開幕戦に臨んだが、武器である制球力が影を潜め伸び悩んだ。同い年、出身県が私の今の居住県、ロッテの応援を再開した2017年に孤軍奮闘していた、などの理由で私が最も思い入れある選手なので、今年は一昨年のような輝きを取り戻してほしいと願っているが、過度の期待は避けて、半分くらいの期間でローテを守って貯金を作ってくれることを期待する。

岩下は昨年ボロボロだった前半のローテの中で唯一安定したパフォーマンスを残し8勝したが、他の選手の調子が上向いてローテが安定した後半戦では逆に沈んでしまった。オープン戦でも3月2日の登板のみで出遅れている上に音沙汰無しなので不安だが、後半戦など他のローテ選手がいないときの救世主になってほしい。

ロメロは昨年後半に入団して、リリーフ陣の酷使が続いた9月5日に7回127球1失点の力投を見せ、その日から10試合で先発陣が奮起し7勝1敗2分けと快進撃を見せた火付け役だったので期待したいところだが、3月13日・20日のオープン戦登板では3回4失点と4回3失点とパッとしない成績を残している。

ローテの谷間 河村、森

その他にローテの谷間を任されそうなのは河村、森の両選手。河村は昨年入団したルーキーだったが、マイペースぶりというか強心臓ぶりを発揮して、5回の先発登板で4勝1敗の好成績を残した。今年は出遅れており開幕2軍スタートが予想されるが、2ヶ月くらい裏ローテでの活躍をしてくれるんじゃないかと思っている。対策はされそうなので勝敗予想は去年より辛め。森は昨年まで育成選手として2軍のローテを守り、イースタン最多勝を獲得していて、今年1軍定着が期待される。とはいえ、昨年のファーム防御率は3.2だったので、今年は平均で6回3失点のQSくらいの成績を残してくれたらいいなと思う。

お試し登板 土肥、本前、中森、秋山

残りの先発投手陣は土肥、本前、中森、秋山の5人。秋山は今年入団、中森は去年入団なので、基本的には体作りと2軍登板だろう。土肥、本前は1軍登板経験あり。何回か1軍に上がって全員で10登板、平均防御率4.5(5回2~3失点)、2勝4敗くらいで踏ん張ってくれることを期待。

昨年の実績と予想一覧

予想登板数の合計が160登板になった。故障選手はあまり考慮していないと思うのでまあこんなもんじゃなかろうか。勝ち越してる選手ばっかりなのは都合がいいかもしれないけど、貯金を4個以上貯める計算はササローと小島くんでしかしていないので、いいバランスなんじゃなかろうか。

選手 2021 予想
名前
12 石川 歩 12 3.38 80 6 3 20 3.2 120 8 5
14 小島 和哉 24 3.76 146 10 4 24 2.9 143 9 5
17 佐々木 朗希 11 2.27 63.33 3 2 20 2.3 125 10 4
15 美馬 学 21 4.92 115.3 6 7 18 4.0 80 8 5
16 種市 篤暉           10 3.2 60 4 2
18 二木 康太 22 4.38 117 5 7 14 3.8 90 6 4
46 岩下 大輝 23 4.42 120 8 8 14 4.0 85 5 4
91 ロメロ 4 1.54 23.33 1 0 14 4.0 80 5 7
58 河村 説人 20 3.46 41.67 4 1 8 3.7 55 2 2
62 森 遼大朗           8 4.0 55 2 2

リリーフ陣

全体的な展望

昨年は佐々木千隼、国吉、益田、唐川らが盤石の勝ちパターンを作っていたのが2位キープの主要因であったが、今年も盤石だと安心するのは危ない気がする。佐々木千隼と唐川はオープン戦未登板のスロースタート、国吉は5試合5.2回を投げて防御率6.35と頼りない。彼らが昨年並みの調子を取り戻すまでは、新加入の長身外国人投手ゲレーロ、社会人ルーキーの廣畑・八木両投手、昨年不調だったが今年は行けそうな東條あたりを頼りにすることになりそうだが、ただでさえ毎年安定した実績を残すのが難しいリリーフ陣なのに未知の選手を勘定に入れるのは苦しいかもしれない。とはいえ昨年並みの防御率を残すことを優勝のための目標値に設定したので、多少都合がいいかもしれないが予想をしていく。

昨年からの継続勝ちパ 佐々木千、唐川、益田

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佐々木千と唐川早く帰ってきてくれ!!!千隼は1ヶ月程度で帰ってきて、去年より微妙に下方修正された成績を残してくれると期待(去年並みでいてくれたら嬉しいけどね!)。唐川は去年より登板数を減らすんじゃないか予想。バテない文防御率は改善するんじゃないか予想。益田は引き分け登板がやたら多かった分の登板数が減る(同点の9回か延長10階になる可能性もあるのかな…)事を祈り、勝ち越しorサヨナラ負けも減ると期待。

今年の勝ちパ候補 東條、東妻、田中

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東條は19、20年には一軍に定着できる成績を残していたので、今年同様の成績を残すことを期待。控えめに予想。東妻は昨年初めて30登板以上投げた4年目なのでなんとも言えない。でも昨年並みの成績は残してくれるんじゃなかろうか。。タナヤスは8月まで防1.27、9月以降10.22と差が激しかったので通年の数字は悪くなっているが、乱調が長引かなければいい成績を残してくれるのではなかろうか。

1軍定着 西野、鈴木、小野、国吉

トミー・ジョン手術を受けて帰ってきた西野に期待したいところだが、オープン戦はなんとも言えない成績。オープン戦で救援起用されていたのでこちらにカウントしたけど、やはり先発として返り咲くんだろうか。2019年に千賀にノーノーを食らった次の試合で完封勝利を成し遂げたあの輝きをまた見たい。鈴木は前半で調子が良かったが援護に恵まれず、勝ち星を重ねられないうちに徐々にスタミナが切れリリーフとの間を行き来する不遇な立ち位置となった。スタミナを取り戻して先発に定着するか、彼もまた予想の難しい選手。小野はとにかくピンチに弱い。ビハインドでゆったり投げているときには安心してみていられたのに。昨年並みの成績なら出番をより好調な選手に譲りたいところだが、本人の成績が開花するのが一番いい。国吉は制球が荒れてハラハラしながら点を取られない選手だったので不思議だったが、今年のオープン戦は普通に失点してしまっていた。高望みは禁物そうだ。

未知の新加入選手 廣畑、八木、ゲレーロ

3選手ともオープン戦で好投していたが、ここまでの私の予想の判断基準は主にここ2年の成績と印象なので、彼らにはどう予想したらいいか見当がつかない。とりあえず防御率3.2くらいで1軍ブルペンを守る活躍をしてくれないかな。ゲレーロが勝ちパに定着するとしたら2点前後とかになってほしい。

台所事情の安定要員 山本、成田、中村稔、横山、土居、小沼、佐藤

一二軍を行ったり来たりしている山本、中村稔、横山、土居投手、先発雨男だと思ってたのにこの2年はほとんど投げていない古谷、18年に日米野球に招集されるなど期待が高まった時期を経たが伸び悩んでいる成田、育成からの支配下登録が発表されて初の一軍に期待がかかる小沼、佐藤両投手。6人で40登板80イニング、平均防御率4.2くらいの投球をしてくれれば御の字。

昨年の実績と予想一覧

炎上グセのある(防御率4以上の)選手がいないのは都合が良すぎるだろうか。。。とにかく勝ちパにかかっている!

選手 2021 予想
名前 登板 HP S 登板 HP S
11 佐々木 千隼 54 1.26 57 8 1 26 1 35 1.9 35 4 2 25 0
19 唐川 侑己 38 2.72 36.1 4 2 22 0 25 2.6 23 2 1 15 0
52 益田 直也 67 2.24 64.1 3 6 0 38 60 2.3 58 2 4 0 30
20 東條 大樹 5 5.4 3.1 0 0 1 0 30 3 30 1 1 10 0
24 東妻 勇輔 37 2.88 34.1 1 0 4 0 35 2.8 33 1 0 5 0
47 田中 靖洋 38 4.54 33.2 1 2 10 0 35 3.2 32 1 1 10 0
29 西野 勇士               25 3 22 1 1 5 0
35 鈴木 昭汰 23 4.08 79.1 1 4 1 0 25 3.7 45 2 1 5 0
37 小野 郁 49 3.48 51.2 0 3 8 0 20 3.8 21 0 2 7 0
92 国吉 佑樹 25 1.44 25 2 0 17 2 35 3.9 30 1 3 5 0
30 廣畑 敦也               25 3.2 23 2 1 5 0
33 八木 彬               25 3.2 23 2 1 5 0
45 ゲレーロ               30 3.2 29 1 0 20 0

選手画像の引用元:選手名鑑|千葉ロッテマリーンズ