読み鍋屋

杓子を逃げしものや何

この錦木千束が尊い!! #13B

はじめに

テレビアニメ「リコリス・リコイル」で安済知佳さん演じる主人公・錦木千束の声が好きなシーンを各話で取り上げ続けてきた連載記事「この錦木千束が尊い!!」もついに最終回のレビューに達し、気合を入れて書き始めたところ、Aパートを書き終えた時点で8000字を超えたので、一本の記事で書き切るのを断念。笑

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というわけで本稿ではBパートのレビューをします。ついにレビューが完了する時が来た。

本連載の過去の記事を読みたい方は「漫画・アニメ-リコリコ」カテゴリから。

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与太話

11話のアイキャッチ。千束とたきながたばこのようにヒガンバナを咥えてその花びらの隙間から煙が出てる描写がめちゃめちゃクールでとても好きだった。

ヒガンバナには毒があって、実際に咥えると危険らしい。それでそういうことを実際にやる人が出ると危ないという声を受けたのか内部での自主規制なのか、経緯はわからないものの、おそらくそのリスクを冒してまで今後もこのイラストを拡散するのは本意ではないという判断のもとに、配信サイトなどでアイキャッチが差し替えられることとなった。どこまでのリスクを勘案するかは難しいところだけど残念だなあという気分になった。

しかし実際に差し替えられたアイキャッチは、本編でちさとが隠してきたたきなへの未練がにじみ出るようなイラストになっていた。9話から最後まで、自分が生きるための周囲の尽力を、その人たちの時間を取りたくないからと断ってきたちさとが、人知れずたきなの後ろ髪を引く(つもりでいるがたきなは気づいている)様子。このアイキャッチが、錦木千束という人物への解釈を一変させ、リコリコオタクを蜂の巣をつついたような騒ぎにした。

私はこの現象にゴールデンカムイを重ねていた。ゴールデンカムイは作者が連載時から単行本化する際に加筆修正をしばしば行っていた。それは風俗的な慣習に基づく修正だったりキャラクターのフォルムが変わったりするような、内容に本質的な変化をもたらさないものも多かったものの、解釈を一変させるようなものもあったという。連載が終了して時間が出来たのか、特に最終巻では大幅な加筆があり、キャラクターの解釈がかわったそうだ(私はまだ途中までしか追えていないので伝聞調になっている)。それに似た現象をたった2枚のイラストで、しかもあまりポジティブではない理由で生じた機会に起こしてしまったリコリコ、転んでもただでは起きない力強さを感じた。

製作陣が悲観せずに何ならネタにしているのも好き。笑 まあ実際に被害が出たわけじゃないし炎上というレベルで批判されたわけでもないからね😌

推し度合いの表記

というわけで、Bパートから好きなシーンのピックアップを再開。本稿では推しシーンの推し度合いを5段階で表す。コメントでの台詞の引用において用いている"(ダブルクオーテーション)と'(シングルクオーテーション)は強いアクセント、弱いアクセントを表す。

☆★★★★

普通に聞いていて心地が良い。この星の数で取り上げている場合は、声以外の仕草などに特筆すべき魅力を感じたということである。

☆☆★★★

一時停止して聞き返してみたくなる。ここ以上を列挙していく。仕草など声以外の要素を踏まえると☆☆☆★★以上になっていることもしばしば。

☆☆☆★★

心拍数が上がる。声はなんとか留められる。ニヤニヤは抑えられない。

☆☆☆☆★

極まって思わず声を上げてしまう。あるいはうるうるする。

☆☆☆☆☆

理性消失。声にならない叫びを上げて思わず体を前後に揺らしてしまう。あるいは涙を流さずにいられない。

推しシーン全集

16:21 「た…たきなァ?!」☆☆☆★★

生きてた~~!!!!勝利!!ありがとう!!!胃を痛めながら見届けた我々の勝利です!!おめでとう!!ありがとう!!

ここで拘束されてケンケンしてる千束かわいい🥰🥰

16:25「いや撃ってくるからだろ!!」☆☆☆★★

「いやッ"撃"ってくるからッだろ!!」ってなジャンプしてるテンポに合わせた息継ぎが良き!!平和な二人の会話がまた聴けて最高だァ~~~!!!

たぶんちさとも新しい場所続きで、こういうぶっきらぼうな言い方をしたのは久々だったんじゃなかろうか、それどころか諦めてたんじゃなかろうか…そう考えるとこの楽しいシーンすらも涙が…ウッ( ;∀;)

17:25「なぜここが分かった?」☆☆★★★

バックで流れてる「リコリス・リコイルのテーマ」のアレンジがまた心躍らせるようで好き😌

17:46「たは~!!沙保里さんそのうち宇宙人とか撮っちゃいそうだな」☆☆☆★★

裏声気味のちさとの声もまた聴けて嬉しい嬉しい嬉しい!!!ほんで真っ白なワンピースがめちゃめちゃ似合うねえちさとは!!

17:57「幽霊かもしれないぞ~」☆☆★★★

かわええのうかわええのう。

18:03「知ってたな貴様。私は何で生きてる?」☆☆☆★★

あ~~ちさとの貴様呼びも再び!!やっぱり思い出すのは4話の押上駅前でちさとがたきなと待ち合わせてたときの「銃持ってきたな貴様」だよねえ😎ちさと尊いセット詰め合わせでお出ししてくださってありがとうございますありがとうございます!!!

まあ自分が生きてる理由察してるよねえ、聞きたいよねえ。

18:15「だって、気づいたら病室で独りだし、なんか手術されててめっちゃ痛えし、こりゃもう死ぬなあと思って」☆☆☆☆★

「だ”ぁ”ってぇ~」ってため息をつくような言い方が良き☺「手術」がしゅずつになっててかわいい、「”め”っちゃ」も良き!!この口調でたきなには話してるから、このトーンを絵にしたらこんな感じのコミカルな絵面になるんだろう、と、大正解!!という気分になるけど、でも実際には一人でモヤモヤ考える時間もたくさんあっただろうなあ。

18:25「だって湿っぽいのやだし、動けるうちにいい場所探そうかと」☆☆★★★

直前のだってとも違う「だ”ぁ”って」がまた良い。お弁当ガツガツ食べてるのも、一人旅してるときのオーバーオールも、船に乗ってるときのワンピースも全部可愛いね!!!船に乗ってるってことは鹿児島に来た可能性も少なからずないかしら、あってくれないかしら!!!と思って調べてみたら、宮古島は飛行機からしか行けませんでした―。ちーん。まあまだ沖縄まで船で渡った線もあるしな。絵が上達したら鹿児島を訪れたちさとを描く!!!現実にしたる!!

18:31「見て!この時間が一番好き」☆☆☆★★

やっぱりちさとの口から出る「好き」って言葉は最高だなあ…しみじみ…。

素敵な着眼点だ…!分かる、そうだよねえ、整理するには春になるまでくらいの時間が必要だったし、その時間を経たからたきなと笑顔で向き合えているんだと思う。

18:39「で?そっちの番だ。どういうこと?白状したまえ」☆☆★★★

顔が良すぎるよ、そして大事な話の時間だ…ちょっと茶化した口調で言ってるの、4話の水族館で非殺傷弾を使う理由を話していたシーンを思い出すね…あのシーンも好きだった…。

19:12「やってくれるなぁ~ヨシさん」☆★★★★

やはり自分をいま生かしている人工心臓が吉松の身体に入っていたことを認めて、その上で受け入れていたのであろう。自分の理念に真っ向から対立することだから受け入れられなかっただろうけど、初めて寿命を告げられたときみたいに時間をかけて色々考えて受け入れたのかな。

20:18「めっちゃかわいいまで言われてたし」☆☆☆☆★

顔が良い!!…すいません取り乱しました。いや声めっちゃかわいいよ…!!ていうかさかな~~!!の影に隠れた名台詞だ!と思って4話で裏ベストシーンに選んでいたこのセリフがここで回収されてめっちゃ嬉しい!!!

20:23「え?…えー!!お前だお前ーー!!!」☆☆☆☆★

爆笑しかない😂😂😂「誰にです?」てボケる素振りも見せないたきな最高😂😂「私?言わないですよ恥ずかしい」最高か😂😂😂間の空け方とトーンの上げ方が絶妙だった!!

20:32「たきなそういうとこだぞ~!」☆☆☆★★

何この好きなシーンリフレイン連発祭りは!!ここでメリーゴーランドもっかいやってくれるの最高じゃないか!!!

20:53「いいね…それ」☆☆★★★

長い休みを経てちさとが動き出す背中を押したたきな、メリーゴーランドと並んで3話の対になってるのが最高だね…!!ほんで久々に、そして今作一番ハッピーな花の塔のイントロだね!!!

20:59「よーし、行くぞ相棒!」☆☆☆☆★

ED前ラストシーンがこれって感慨深いねえ、良かったねえ!!!もうスタオベですこれは!!ありがとうリコリス・リコイル!!!

*ちさたきへの期待は叶ったのか

さて、ちさととたきながハッピーエンドを迎えたところで、私が9話から11話にかけて大きくなっていった願いが叶ったかどうかを総括する使命がある。私は11話放送後の記事で、以下のようにたきなに使命を託した。

8話を経てもなおたきなの思いを見て見ぬふりをする千束が、物わかりの悪いたきなに面と向かってストレートな愛情を突きつけられる瞬間が観たい。それはきっと3話で千束がたきなにしたことのお返しになり、千束がこれまで周りの人たちを幸せにしてきた行いが本当に報われる、本作のハイライトになるのだと思う。千束には報われて、幸せになって、たきなにたくさん甘えてほしいのだ。そうじゃないとバランスが悪い。それを受け止められるのは、千束が最も大きな影響を与えて千束を救うために全力で走るたきなしかいない。

「リコリス・リコイル」12話以降でのちさたきへの期待 - 読み鍋屋

この願いが叶ったかといえば、私は期待通りの展開ではなかったにしても、むしろ最もリコリコらしい、ちさたきらしい展開で叶ったと思う。たしかにたきながちさとに3話のような発破のかけ方をすることはなく、またちさとがそうしたたきなの行動にわかりやすく心揺さぶられた描写もなかった。たきなはただちさとを助けるのに全力で、ちさともまた自分の命に最後まで執着しなかった。しかしギリギリのところでたきなの気力が勝った。

ちさとの行動を考えると、人の時間を奪いたくないという理念に反する結末を目の当たりにした戸惑いと、人生の終りが近いことを予感して大切な人たちと悲しい別れをしたくないというこだわりと、心の奥底にしまっていたたきなへの思いを結果的に叶える行動をたきなが取ってくれた喜び、そういう複雑な思いがちさとの放浪につながったのだと思う。ちさとの理念は強固なもので、ただ助けてくれたからと言って簡単にひっくり返せるものではないのだと、今振り返ればよく分かる。だからこそ本当に自分の理念に反したことが起こったのかを明らかにせず、でも皆が自らの命を救ってくれたことも尊重して、その顛末を受け入れて喫茶リコリコに戻ったのだと思う。

一方たきなの行動はといえば。ちさとを救ってほしいという私達視聴者の思いと、ちさとを救いたいというたきなの思いがシンクロしていたので、たきながちさとを助けるという行為はまさに救世主であると考えていたが、それは突き詰めてしまえば視聴者およびたきなのエゴでしかないのだ。ちさとに幸せになって欲しいのもエゴ。たまたまそれが本当にちさとにとっても喜ばしいものになるかもしれないし、そうでないかもしれない。

この考え方って難しくて、エゴに基づいた行動でも良いときと悪いときがあって、押し付けてしまうと概してよくないのだと思う。そう考えるとミカが吉松を殺めて人工心臓を手に入れたのも半分押し付けだけど、それ以前に人工心臓を破壊し、健康な心臓を破棄して自分の身体に人工心臓を埋め込んだのも吉松のエゴだから、相殺されたのかな。複雑だね。とにかく自分が相手によかれと思ったことをする時は、相手に確認してやらない限り自分のエゴである可能性があるから、押し付けてはならないということを頭に置いておきたい。

結果的にちさとはたきなとの再会を受け入れてくれて、また笑顔で同じ時間を過ごすことが出来るようになった。だからそれで良いのだと思う。ちさととたきなが幸せに過ごしてくれること、たきなの懸命な行動をちさとが受け入れてくれることが、私たちのちさととたきなへの願いの本質なのだから。…こう書いて思い至ったけど、ちさとも自身の口からたきなを「一生懸命な友達」と評価していて、そんなたきなが好きだと言っていたじゃないか!ちょっと見え方は違うけど、やっぱり期待は叶ってくれたんだよ!!

この方のスレッドの一連の考察が鋭い。救世主という役割を降りるには、やはりそこから降ろすたきなも、救世主ではなくちさとと並んで歩く女の子でいるのがふさわしいのだと思う。

22:38「あー残念ながら仕事は受けられません、なぜなら、今ハワイだから」☆☆☆★★

はい、あとは花の塔明けのウィニングランを残すのみです。本当にハワイ来ちゃったよ!!(笑)「残念ながらぁ仕事は受けられませぇん、なぜならぁ~❤…今、"ハ"ワイだから~~♪♪」最後までぶりっこしてもかわいいかよ。

23:26「お~待ってました~」☆☆★★★

ええ、最後までノミネート連発しちゃってます。なんせまた気ぃ抜いてヘラヘラちさとの声が好きなシーンを追っかけられるのが幸せで幸せで。Aパートで問題を全部片付けてしまって、Bパートは時間をすっ飛ばして、色々難しいことをちさとがある程度考え終わったところから始めて、たきなとの再会、喫茶リコリコへの帰還を、ゆったりと時間をかけて穏やかに見せてくれた監督には感謝しかない…こんなにやることがいっぱいあった最終盤なのに、こんな時間をとっておけるなんて…!!

「お'~''ま'って'ま'したぁ」みたいな楽しそうな口調で良き。

23:36「これがワイハの迷彩服だろ、たきなも着ろよ」☆☆★★★

6話の山岸先生の前での会話と変わらないトーンで良き。「だろ」の前のタメがポイント。

23:47「Hi, are you in trouble?」☆☆★★★

かわいいかわいい、さり気なくオーバーオールの肩紐が落ちちゃってるたきなもかわいい。ちなみにラストの劇伴は「千束」。最初から最後までちさとたっぷり、ごちそうさまでした!

集計結果

はい、最終話Bパートもニヤニヤしながら観ていたらあっという間に終わってしまいました。Aパートと合わせて集計していきます。目次形式で全シーンをおさらい。

☆☆☆☆☆:1

卒業式に6年間を振り返るような回想シーンが9話以来5度目の☆5を獲得!!やっぱりちさとの日常への愛情のこもった「好き」には敵わない!

☆☆☆☆★:5

☆4が5個以上となるのも9話以来であった。特にBパートのたきなとの会話で4つの☆4を記録!

☆☆☆★★:13

☆3は3話連続の二桁個。Aパートに6個、Bパートに7個。バランス取らなくっちゃなぁ~!?

☆☆★★★:12

地味に全話最多の12個を最終回で記録。ハッピー連打。

☆★★★★:3

いや~最終話まで銃撃戦シーンがかっこよかった。やっぱちさとの魅力に銃撃戦は不可欠だ。

ラスト6分に15個もの台詞を連打ピックアップした結果(6分あたりのシーン数が過去最多)、全話最多の34個ものシーンがノミネート!!のべ星数は97個の3話に次いで2位でした!!そんな中最終話のベストシーンに選ばれたのは、唯一の☆5シーンだったこのシーン!

8:36「今のままでも好きなものはたくさん。大きな街が動き出す前の静けさが好き。先生と作ったお店、コーヒーの匂い。お客さん。街の人。美味しいものとか、きれいな場所。仲間。一生懸命な友達。それが私の全部。世界がどうとか知らんわぁ。」

真島と対峙して緊迫した中でこれまでの全部を詰めこんだこのシーン、最高でした。こういうお決まりのシーンでちゃんと決めてくるところ、やはりリコリコには信頼しかない😌

しかし肩の力を抜いて観られるシーンで言ったら「お前だお前ー!!」かな(笑)これまでの12話で感じたちさとの好きなところ全部載せの贅沢な最終回でありました。

その他、印象に残ったシーン

12:30 サクラ「先輩!」

せんっぱい♪みたいな言い方!!!サクラ復活した!!良かったぁ~~😭😭ジュースの買い方分かんないフキ推せる、でも自販機でジュース買うことすら楽しめないなんて…(´・ω・`)フキにはもっと人生楽しんでほしいよ…!!

14:25 クルミ「なあ、その二つ名自分でつけたの?なあなあサイレントジン

サイレントジンがお店に来てるのも面白いしおちょくられてるのはもっといいな😂クルミの煽りスキルバリ高😂😂

14:43 サクラ「はぁ~やっと食べれるっす~♪」フキ「うるせえ、黙れ」サクラ「やだ!」フキ「うるせえ」サクラ「や~だ~!!」フキ「うるせえ!」

じゃれ合ってるフキサクがまた見られてわしゃあ幸せじゃ…3話のときにはあんなにヘイト溜めてたのにこんな気分になるキャラ初めてじゃ☺

15:14 ミズキ「あのバカ…」

もう所在は判明して安心してるミズキたち、安堵と怒りの滲んだ絞り出す声が良きです😌

15:32 ミカ「ターゲットは正午から19時30分まで勤務。15時の休憩時を狙え。慎重にな」

愛する娘のことをターゲットって呼んでるミカ愛おしすぎる🥰🥰🥰でも実際慎重にしないと逃げられるしねえ!

16:48 サクラ「良かったっすね、先輩」

せんっぱい♪おかわりいただきました!!「まだ生きてるんですか」と生死すら知らされていなかったフキ、思わず笑みがこぼれたところにからかわれる構図好き☺☺いやあの可愛く縛られたちさと見たらそりゃあ誰しも顔がほころびますよありゃあ!!待受画面にしちゃうレベル!!そんで照れ隠しで「帰んぞ!!」って叫ぶフキも好き🥰🥰🥰フキサクホント相性のいいバディだわ~、フキも結果的にたきなが左遷されたことでサクラと巡りあえて良かったね😌

23:51 クルミ「アローハー」

クルミの頭のびよーんが完全に浮かれてる感あって良い😂

23:56 ミズキ「浮かれてんじゃねえぞてめえら」

最後まで平常運転の喫茶リコリコ、ニヤニヤしてたら終わっちゃった!全然しんみりする暇なかった!!ありがとう!!続編に期待!!

総集編に続く

これまで13話分の集計結果を振り返って好きなシーンをまとめます!最後まで乞うご期待!

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